研究課題/領域番号 |
20K09228
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
善積 克 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (70553379)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 間質性膀胱炎 / 膀胱痛症候群 / LPS / TRPV4 / 炎症性サイトカイン / マクロファージ / 過活動膀胱 |
研究開始時の研究の概要 |
頻尿や膀胱痛を主症状とする間質性膀胱炎/膀胱痛症候群は、難病に指定される難治性の慢性炎症疾患である。膀胱上皮には膀胱の伸展を感知するTRPV4が存在し、炎症時には痛みなどの過知覚を亢進する分子として知られているが、近年、肺線維症やマクロファージにおける炎症シグナルとの相互作用でTRPV4の炎症制御機構が報告されている。本研究は慢性膀胱炎モデル動物を用いて、炎症制御分子としてのTRPV4の役割と炎症シグナルとの相互作用を解明することで、間質性膀胱炎/膀胱痛症候群の治療薬開発と慢性病変の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、LPS誘発性膀胱炎モデルラットに対するTRPV4アゴニストの膀胱内投与の有用性と、その作用がLPSシグナルによるサイトカイン放出やマクロファージ表現型の変化に関与するかどうかを検討した。選択的TRPV4アゴニストをラット膀胱に同時注入することにより、LPSによる膀胱痛や排尿頻度の増加が抑制された。さらに、TRPV4の活性化により炎症性サイトカインが抑制され、M1型マクロファージからM2型マクロファージへと表現型がシフトすることが確認された。これらの結果から、膀胱におけるTRPV4の活性化はLPSによる炎症反応を制御することで、炎症由来の膀胱痛や頻尿を改善していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群は原因が未だ不明であり、治療には膀胱水圧拡張術や50%DMSO膀胱内注入療法があるが、治療効果は一時的でしばしば再燃するため根治治療が急務となる。本研究は、膀胱に局在するTRPV4がLPS誘発性の炎症反応に対して抗炎症へと働くことが確認できた。本研究結果により、TRPV4アゴニストが間質性膀胱炎・膀胱痛症候群に対する新規治療の候補として今後期待できる。
|