研究課題/領域番号 |
20K09237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
木村 哲 秋田大学, 医学部附属病院, 准教授 (00312702)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 術後高次脳機能障害 / 神経炎症 / 血液-脳関門 / Rhoキナーゼ阻害薬 / 術後認知機能障害 / ファスジル / 血液脳関門 |
研究開始時の研究の概要 |
術後認知機能障害は手術・麻酔を契機とする高次脳機能障害であり、医療費増大、死亡率増加を招く。高齢者の手術数増加に伴い、今後急増すると懸念される。発症には神経炎症による血液脳関門の破綻が関与する。Rhoキナーゼ阻害薬であるファスジルは、神経炎症抑制により虚血性脳脊髄障害やアルツハイマー病などの予防、治療薬として期待されている。 本研究では老齢ラットを用いて、ファスジルが術後認知機能障害を抑制するか否かを検討し、さらに脳内炎症や血液脳関門の変化に及ぼす影響から、その機序の一端を明らかにする。この研究は、周術期医療における喫緊の課題である術後認知機能障害の予防、治療法の開発につながると期待される。
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研究成果の概要 |
Rhoキナーゼ阻害薬ファスジルが、全身麻酔下手術後の認知機能障害に及ぼす脳保護効果と、脳内炎症や血液-脳関門に及ぼす影響を、雄性老齢ラットを用いて検討した。生後18か月の老齢ラットに吸入麻酔薬セボフルランを2時間吸入させ、その間に開腹肝部分結紮術を行った。モリス水迷路試験とFear Conditioning testを手術前及び手術後に行った。術後7日目に脳を灌流し、脳浮腫を評価するためにwet/dry比を測定した。血液-脳関門の評価のために、エバンスブルーの漏出量を測定した。現在収集したデータの解析中であり、研究成果を示すには今後さらに数か月を要する見込みである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後認知機能障害は手術・麻酔を契機として発症する高次脳機能障害であり、入院期間延長、医療費増大、死亡率増加を招く。高齢者人口の増大に伴う手術件数の増加により、今後増加していくことが懸念される。その発症には神経炎症による血液-脳関門の破綻が関与すると推察されている。Rhoキナーゼ阻害薬であるファスジルは、神経炎症抑制効果により虚血性脳脊髄傷害やアルツハイマー病などの予防、治療薬として有用である可能性が示唆されている。ファスジルは本邦ですでに臨床使用されている薬剤であり、術後高次脳機能障害抑制効果が明らかになれば速やかな臨床応用が期待できる。
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