研究課題/領域番号 |
20K09242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
溝田 敏幸 京都大学, 医学部附属病院, 准教授 (80596198)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 骨格筋量 / 日常生活動作 / 麻酔 / 合併症 / 手術 / 予測因子 / 高齢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高齢手術患者における周術期ADL低下の予測因子を明らかにする。ADL低下の予測因子の候補として特に骨格筋量に着目する。具体的には、①高リスク手術を受ける65歳以上の高齢者を対象として骨格筋量が周術期ADL低下に及ぼす影響を解明するための大規模前向きコホート研究を遂行する、②上記コホートを用いてADL低下と関連する周術期の呼吸・循環管理方法や周術期合併症を探索する。本研究の成果からは、ADL維持のための周術期管理指針の策定に寄与するという高い臨床的波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、全身麻酔で腹部大手術を受けた患者を対象に、手術中の呼気中二酸化炭素濃度(EtCO2)が術後の臓器機能障害に及ぼす影響にを明らかにし、学術論文に報告した。手術中の平均EtCO2が35mmHg未満のものを低EtCO2として分類し、低EtCO2と術後の臓器障害との関連を調査したところ、低EtCO2と術後臓器機能障害の増加との間に有意な関連が認められた(調整リスク比、1.11;95%信頼区間[CI]、1.03-1.20;p=0.006)。さらに、EtCO2値35mmHg未満への長期曝露および低EtCO2の重篤度(area under the threshold)は、術後の臓器機能障害発生と関連していた。 また、全身麻酔下で腹腔鏡下婦人科手術を受けた患者816名を対象とし、フェンタニルを用いた静脈内患者管理鎮痛法(ivPCA)の使用が臨床的に重要なイベント(CSE)の発生率に及ぼす影響を検討し、学術論文に報告した。主要な曝露は、フェンタニルを用いたivPCAの使用とし、主要アウトカムは、患者の回復に悪影響を及ぼすと想定される重度の創傷痛と嘔吐を統合したアウトカム指標-CSEとした。多変量ロジスティック回帰分析を行いてivPCA使用とCSEの独立した関係を評価した。結果、フェンタニルベースのivPCAはCSEの増加と独立に関連していた(調整オッズ比(95%信頼区間).1.80 (1.24-2.61), p = 0.002)。 ivPCAの使用は、術後の重度の創傷痛の発生率の低下と関連していた(調整オッズ比(95%信頼区間): 0.50(0.27-0.90)、p = 0.022)が、一方で嘔吐の発生率の増加とも関連していた(調整オッズ比(95%信頼区間): 2.65 (1.79-3.92), p < 0.001)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ肺炎の蔓延下において患者との接触が必要となるデータ収集を開始するのは適切ではないと判断しているため。2022年度は患者との濃厚な接触が必要のない形で研究を遂行した。
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今後の研究の推進方策 |
すでに研究開始に必要な倫理委員会の承認がおり、UMIN-CTRへの研究登録を行ったが、新型コロナ感染症蔓延の状態を鑑み患者リクルートは中断している。 我々研究グループの保有しているデータベースから術前術後の日常生活動作の変化を明らかにする研究に方向性を転換し検討を始める予定としている。 また、周術期医学研究の推進に必要な、臨床的に妥当なアウトカム指標の開発を行っており、現在学術論文執筆中である。既存の情報から簡便に評価できるeSOFAという指標により評価した術後臓器障害が患者予後の予測に有用であるかどうかを検討した。
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