研究課題/領域番号 |
20K09250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
田口 典子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90569774)
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研究分担者 |
石井 大典 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30803291)
中山 慎 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (60596443)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 蘇生後脳症 / 神経炎症 / 脳虚血 |
研究開始時の研究の概要 |
フラボノイドの一種であるルテオリンは、中枢神経保護作用を有する。本研究ではマウスの心肺停止モデルでルテオリンの神経保護作用の有無を確認する。現在まで蘇生後脳症の有効な治療は、低体温療法以外確立していない。この原因として、実験モデル作成が困難な点、長期生存率が低いため遅発性の神経障害、神経炎症、神経新生に対して観察期間が不十分な点があげられる。我々は蘇生14日間の比較的長期に及ぶ神経障害を観察し、虚血後の変性、再生過程の変化を確認している。今回は虚血後28日の経過で、経時的な病態の変化、それに対するルテオリンの作用を検討する。本研究は蘇生後脳症に対する薬物療法の臨床応用への架け橋となり得る。
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研究実績の概要 |
フラボノイドのルテオリンは血液脳関門を通過し、中枢神経保護作用を有する。本研究ではマウスにおける心肺停止モデルでルテオリンの神経保護作用の有無を確認する。本研究は当初虚血後28日の経過を追い、蘇生後脳障害での経時的な病態の変化、それに対する薬剤の作用を検討する計画であった。 初年度は行動評価を行い、蘇生後7日の段階では体重の減少、活動性の低下を認め、行動評価に適さないと判断した。そのため、行動評価は蘇生後14日後、28日時点で行った。また心停止時間が5分以上となると蘇生後1週間前後で極端な体重減少、全身状態の悪化を認めた。心停止時間4.5分では生存率は改善したが、蘇生後14~22日で体重減少、全身状態が悪化するマウスがいた。心停止時間4分では蘇生後28日間生存した。 次年度は蘇生後28日目に海馬の組織評価を行った。虚血時間4.5分では海馬組織に明らかな障害を認めなかった。 実験開始時の計画では心停止時の側頭筋温を一定に保つ設定であったが、頭部全体の安定した温度管理が難しく、結果の不安定さに影響を与える可能性があったため、この時点で保有している脳組織標本の再評価を行った。心停止中の体温や心停止時間の微妙な調整以外にも虚血脳の障害の左右差や個体差を生じる要因の存在が推測されたため実験系を単純化するため頭部の保温を中止した。 今年度は上記の結果から虚血時間を6分、頭部保温をしないモデルで蘇生後2日目の海馬を観察した。心停止時にLPSの腹腔内投与を併用することで、全身の炎症を伴った全脳虚血モデルを作成し、虚血後の障害、神経炎症の進展を観察することとした。心停止30分前にLPSもしくは生理食塩水を腹腔内投与後6分間の心停止を誘発すると術後の行動評価では障害を認めなかったがLPS投与群で海馬のマイクログリアの増加を認めた。またこのモデルでは2日間の生存率は86%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は予定通りの実験を遂行できた。しかし、昨年度までCOVID 19流行の影響で臨床業務多くの時間を費やしたため全体として遅れを取り戻せていない。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度確立した実験モデルを用い、虚血後の神経炎症を起こしやすい高齢マウスと若年マウスでルテオリンの神経保護作用を確認する。まずはルテオリン含有餌を投与し、若年マウス、高齢マウスともに餌からの吸収の有無を確認する。次に上記虚血モデルで蘇生2日後の行動評価、組織評価を行い、ルテオリンの神炎症抑制効果を評価する。次にこのモデルの長期生存率を確認し、可能であれば長期の神経障害について行動評価、組織評価を行いたい。
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