研究課題/領域番号 |
20K09254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
駒切 洋 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80405753)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 硫化水素 / HCNチャネル / 後根神経節 / 一酸化窒素 / 神経因性疼痛 / 過分極活性化電流 / アデニル酸シクラーゼ / グアニル酸シクラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
これまで過分極活性化陽イオンチャネル (HCNチャネル)と内因性ガス状生理活性物質である硫化水素 (H2S)は神経因性疼痛の発生原因および治療のターゲットの有力な候補として別個に研究されてきた。本研究では正常ラットと神経因性疼痛モデルラットから末梢感覚神経である後根神経節細胞を分離、培養し、HCNチャネルの活性調節機構におけるH2Sの関与を調べ、神経因性疼痛発現メカニズムにおけるHCNチャネルとH2Sの連関を明らかにする。
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研究成果の概要 |
神経因性疼痛の病態発現に寄与することが示唆されている硫化水素と過分極活性化陽イオンチャネル(HCNチャネル)の連関について検討した。培養後根神経節細胞を用いた電気生理学実験および蛍光イメージングにより、硫化水素が一酸化窒素産生を増強し、グアニル酸シクラーゼを介して過分極活性化陽イオンチャネル(HCNチャネル)の活性化を引き起こすという新たなチャネル活性化機構が明らかとなった。さらに硫化水素は過分極刺激からの膜電位の回復相の増強を引き起こすことも確認できた。本研究によって硫化水素が後根神経節細胞の興奮性をHCN チャネル活性化を介して調節している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によって硫化水素が一酸化窒素産生を介してHCNチャネルを活性化させ、後根神経節細胞の興奮性を上昇させる可能性が示唆された。硫化水素とHCNチャネルはこれまで神経因性疼痛における後根神経節細胞の異常発火メカニズムへの関与が別個に報告されてきた。本研究によりこの2つの分子の連関が明らかになったことから、神経因性疼痛の病態発現メカニズムのさらなる解明や効果的な治療法の確立につながる可能性がある。
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