研究課題/領域番号 |
20K09259
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
西澤 大輔 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (80450584)
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研究分担者 |
池田 和隆 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 分野長 (60281656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オピオイド / 副作用 / がん性疼痛 / 疼痛 / 緩和医療 / 遺伝要因 / GWAS |
研究開始時の研究の概要 |
まずは、下記①を行う。その後、下記②及び③を行い、さらなる詳細な解析のため、下記④を行う。最有力候補多型が複数同定された場合、今後の臨床応用に向けて簡便に多型判定が可能になるように、協力企業などと連携し、適宜遺伝子多型判定キットの開発を進める一方で、下記⑤を行う。 ① 臨床評価項目及びその評価方法の検討(2020年度 ② 網羅的遺伝子多型判定及び品質評価(2020年度 ③ 網羅的関連解析(2020~2021年度) ④ 再現性検証(追加)解析・遺伝子間及び遺伝子-環境相互作用解析(2021~2022年度 ⑤ オピオイド鎮痛薬感受性・副作用脆弱性予測式の構築及び検証(2023年度)
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研究実績の概要 |
当該年度においては、前年度に引き続き、対象サンプルの解析を行った。 患者の血液よりDNAを抽出し、Illumina社製 Infinium Asian Screening Array-24のチップを使用して全ゲノム領域の65万箇所以上の遺伝子多型を対象としてジェノタイピングを行い、慢性的にオピオイドを投与を受けたがん性疼痛患者を対象として、オピオイドの主要な副作用である嘔気や便秘等との関連をGWASにより解析した。 GWASの結果、ゲノムワイド有意な関連を示す遺伝子多型は認められなかったが、TMEM132C遺伝子のイントロン領域に位置するrs7296262多型が嘔気発生有無に関してRecessiveモデルにおける上位20以内の候補多型として同定され、CC遺伝型保有者では非保有者と比較して嘔気発生が高頻度であった。また、この多型に関して、他の急性的にオピオイド投与を受けた全身麻酔患者症例において検証用の追加解析を行ったところ、有意な関連が認められたが、CC遺伝型保有者では非保有者と比較して嘔気発生が低頻度であり、関連の方向性が逆転していた。TMEM132C遺伝子は膜タンパク質をコードする遺伝子であるとされているが、嘔気発生及びオピオイドの作用機序への寄与は明らかになっていない。 本結果はrs7296262の多型が嘔気発生有無を予測するマーカーとして役立ち得ることを示している。我々の発見は満足の行く副作用治療を達成するために有益な情報を提供することになり、個別化医療への新しい道を拓くことになるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基本的には当初の研究期間内に研究を完了すべく計画的に執行したが、年度末近くになっても遺伝子多型と表現型との関連解析が引き続いており、本年度達成できなかった追加genotyping実験及び解析を次年度に行うこととなったため、研究期間の延長を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当該年度までの研究において行っていた関連解析を引き続き行う一方、rs7296262多型のみならず、有力な候補遺伝子多型に関しては、他種のサンプルを用いての追加解析を行う。 臨床データとの網羅的な関連解析においては、オピオイド投与量及び嘔気や便秘等の副作用の表現型以外に、当該がん患者における疼痛の有無についても解析対象とする。また、関連解析において有意な関連が見出された多型に関しては、それが含まれる連鎖不平衡ブロックにおける他の多型などに関しても必要に応じてさらにジェノタイピングを行い、最有力候補多型(最もcausativeと考えられる多型)を同定する。また、必要に応じてImputation法などにより解析用多型データを補完し、より詳細な解析を行う。
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