研究課題/領域番号 |
20K09265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小島 将裕 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70721091)
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研究分担者 |
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 免疫 / 集中治療 / 救急 |
研究開始時の研究の概要 |
重症病態では免疫能が急激に変化することが知られており、腸内細菌叢も急激に変化することが明らかとなっている。腸管内に共存する腸内細菌叢は腸管リンパ組織と相互作用して、宿主の免疫能に関連することが最近注目を浴びているが、ヒトの重症病態時に腸内細菌叢の変化が免疫能の変化とどのように関連しているのかは明らかではない。本研究の目的は重症救急患者の腸内細菌叢の変化と全身の免疫能の変化との関連を明らかにすることである。腸内細菌叢の評価は便のメタゲノム解析で網羅的に行い、免疫能は細胞性免疫能として制御性T細胞やリンパ球サブセットを、液性因子として可溶性PD-1/PD-L1/CTLA-4を評価する。
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研究実績の概要 |
重症患者では急性期に腸内細菌叢や腸内環境が大きく変化し、肺炎や腸炎などの合併症や生命予後と関連することを我々は報告してきた。しかし、その背景にあるメカニズムについてはほとんど不明である。このメカニズムの解明が新たな腸管内治療の開発において、重要であると思われる。 重症病態に陥った患者では多くの場合、急性期(入院から約1ー2週間程度)に強い炎症状態となっており、亜急性期(入院から2週間程度以降)に逆に代償性の抗炎症状態になることが知られている。我々は以前にメタ16S解析を用いた網羅的な腸内細菌叢の解析を行い、入院から1週間程度で腸内細菌叢が大きく変化し、腸内細菌叢の大きな変化は生命予後と関連していたことを報告している。重症患者に生じる免疫能の変化(炎症状態の変化)と腸内細菌叢の変化は関連があるだろうと考えている。 本研究では、3日以上の人工呼吸管理を要したSIRS(全身性炎症反応症候群)の診断基準を満たした症例に対して、入院から1-7日、8-14日、15-21日に採血と採便を行い、血中のリンパ球サブセット・便中細菌叢(メタ16S解析による網羅的解析)・便中IgA・便中エンドトキシンを測定し、腸内細菌叢・腸内環境と腸管免疫・全身免疫との関連を解析することを目的としている。 本年度は、健常成人のデータも得られ、研究に必要なすべての検体のデータを得た。しかし、コロナ渦により本研究に費やすエフォートが著しく減少したため、データ解析に時間を要している。来年度にデータ解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例数の集積は得られているが、コロナ渦により本研究に費やすことのできたエフォートが著しく減少し、データの解析が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
得られた便検体のメタ16S解析および便中エンドトキシン・便中IgAのデータ解析を進める。得られた血液検体のリンパ球サブセットの解析を行う。また、一部の症例では可溶性PD-1、可溶性PD-L1、可溶性CTLA-4の測定も行っているため、腸内細菌叢・腸内環境とPD-1/PD-L1経路およびCTLA-4経路との関連の有無についての解析も行う。得られた知見は学会および論文で発表する。
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