研究課題/領域番号 |
20K09273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
中澤 春政 杏林大学, 医学部, 准教授 (10458888)
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研究分担者 |
辻 大介 杏林大学, 医学部, 助教 (00826498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミトコンドリア障害 / 敗血症 / CoQ10 / ミトコンドリアDNA / ミトコンドリア機能障害 / CoenzymeQ10 / Coenzyme Q10 / Coenzym Q10 / 抗酸化作用 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症に合併するミトコンドリア(MT)機能障害は患者予後を増悪させることが知られているが、MT機能障害に対する効果的な治療法は未だ見つかっていない。我々は、これまでの研究からCoQ10の投与が、熱傷などの重症病態におけるMT機能障害に対して保護的な作用をもつ事を示した。本研究で我々は、敗血症においても、CoQ10の投与がMT機能障害およびそれに伴う炎症の負のスパイラルを抑制させるかどうかを、敗血症モデルマウスを用いて解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、敗血症に合併した骨格筋のミトコンドリア機能障害に対するCoenzyme Q10(CoQ10)の抑制効果を調べることを目的としている。これまでの研究において、ミトコンドリア機能障害は組織での酸素利用障害を惹起し、また、ミトコンドリアの形態異常に伴って血中に漏出したミトコンドリアDNA(mtDNA)が全身の炎症反応を増悪させる因子として働くことを示した。その結果を受けて、2023年度は、敗血症モデルマウスを利用して、シャム手術を行ったマウスに生食投与(SS群)、シャム手術を行ったマウスにCoQ10投与(SC群)、CLP手術により敗血症を誘導したマウスに生食投与(CS群)、CLP手術により敗血症を誘導したマウスにCoQ10投与(CC群)の4群に関して、血中のmDNA、および血中サイトカインを定量した。CS群で血中mDNAが増加した傾向がみられたが他群と比較して有意な差は認めなかった。敗血症を誘導したマウスを観察すると、腹腔内に膿瘍形成をきたしており、全身の炎症が誘導されなかった可能性が考えられ、それにより予想した結果が得られなかったと考えられる。また、CLPモデル作成中の麻酔によりマウスの徐呼吸が誘発されたこともデータに影響を与えた可能性がある。今後は、人工呼吸により呼吸を調整しての再実験を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CLPモデルによって敗血症を誘導しているが、腹腔内膿瘍を引き起こし、膿瘍が一部に限局してしまっているため、全身の炎症を誘発できていない可能性が考えられる。また、CoQ10の投与方法・投与量についても再検討が必要である為、研究実施が予定より遅れている。 また、マウスの生体モニターと麻酔器のトラブルもあった点が実験の遅れにつながっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はまず、マウスの生体モニターと麻酔器の購入を行う予定であり、それにより機器のトラブルによる実験の遅れは解決する。CLPモデル作成時のマウスの呼吸をコントロールする為に、人工呼吸を行う事を検討している。 また、CoQ10の投与法(現在は皮下注)、投与量に関しても、共同研究者のアドバイスを参考に、いくつかの調整案を検討している。 いくつかの条件を設定して再実験を行う方針である。 実験としては最終段階の実験系を行っているところであり、現状の進め方を継続する方針である。
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