研究課題/領域番号 |
20K09282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 (2021-2023) 筑波大学 (2020) |
研究代表者 |
河野 了 茨城県立医療大学, 付属病院, 教授 (90323295)
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研究分担者 |
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | VEGF / アンジオポエチン / ランジオロール |
研究開始時の研究の概要 |
本プロジェクトはVEGFとアンジオポエチンの関連性、またランジオロールの効果を明らかにするため、in vivoの基礎研究から人間を対象とした臨床研究に至るまで広い範囲で研究を行う。 研究1:ラットはWistar ST、8~12週齢、250-300gを敗血症モデルに使用する。LPSは15mg/Kgを頸静脈より静脈注射する。 研究2:Tie2受容体ノックアウトマウスを使用し、LPSを投与し敗血症モデルとする。 臨床研究(研究3):対象病院に入院した早期敗血症患者でありランジオロールを投与している患者を対象とし、血中VEGFとアンジオポエチンを評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では、敗血症による多臓器不全に対するランジオロールの効果を調査した。8週齢の雄ウィスターラットに生理食塩水またはLPSを3時間投与し、一部にはさらにランジオロールを3時間投与して実験を6時間および10時間に延長した。また、TNF-α、IL-6、アンジオポエチン-2のレベル変動とVEGFシグナル伝達の変化を観察した。結果、3時間のランジオロール投与で臓器損傷の進行が抑制され、血液パラメーターとVEGFレベルが正常化した。本研究では、ランジオロールがアンジオポエチン-2とVEGFシグナル伝達の調節を通じて臓器損傷を軽減することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、敗血症による多臓器不全(MODS)の新たな治療法を示した点にある。特に、ランジオロールがアンジオポエチン-2とVEGFシグナルを調節し、臓器損傷を軽減する効果を明らかにした。これにより、敗血症に伴う臓器不全の進行を遅らせ、患者の生存率向上に寄与する可能性がある。現在の臨床治療では十分でない部分に新たな治療オプションを提供し、特異的選択性のあるβ1ブロッカーが臨床現場で使用可能な有効な治療法となることを示唆している。
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