研究課題/領域番号 |
20K09284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土井 研人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80505892)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 敗血症 / 急性腎障害 / 多臓器不全 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症性ショックは高い死亡率を呈する重篤な病態であり、ICUにおける多臓器不全の原因の一つである。強力な血管収縮作用と糸球体濾過増加作用を有するアンジオテンシン II (Ang II)は、敗血症性ショックに対して米国FDAが認可した新たな薬剤である。一方、Ang IIは腎臓・心臓において臓器障害を惹起することが知られており、急性期における有益な効果に加えて、慢性臓器障害を惹起増長する害の効果が懸念される。本研究においては、慢性腎臓病および心不全モデルマウスに敗血症を惹起して、Ang II投与がもたらす急性期の死亡率改善効果および慢性期の腎・心における臓器障害について評価する。
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研究成果の概要 |
血管拡張性ショックを来す敗血症には、強い血管収縮作用を有するアンジオテンシンIIによる改善効果が期待できる。一方、アンジオテンシンIIは心肥大や腎糸球体硬化を惹起しうる。本研究では、アンジオテンシンIIによる敗血症性ショックからの離脱と、心臓及び腎臓における臓器障害について、評価することを目的とした。しかしながら、文献報告されている十分な血圧上昇をきたす用量のアンジオテンシンIIを盲腸結紮穿刺腹膜炎モデルによる敗血症性ショックマウスに投与したが、生存解析において改善効果を認めなかった。用量のみならず、投与タイミングについても検討を加えたが、アンジオテンシンIIの治療効果を確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は高い死亡率を呈する病態であり、日本国内でも敗血症で年間約10万人が死亡していると考えられている。敗血症の中でも循環不全を呈する敗血症性ショックの死亡率はさらに高く、早期の抗菌薬投与、十分な輸液蘇生に加えて、血液分布異常性ショックに分類されることから、異常な血管拡張に対する血管収縮薬の投与は必要不可欠とされている。これまでノルアドレナリンやバソプレシンなどが臨床的に広く用いられてきたが、さらなる予後改善を目指すのであれば、新たな作用機序の血管収縮薬が有用であると考えられる。本研究ではアンジオテンシンIIの有効性が示されなかったが、さらなる検討が必要だと考えられた。
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