研究課題/領域番号 |
20K09287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
太田 淳一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (50529667)
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研究分担者 |
岡本 貴行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30378286)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 敗血症 / 臓器障害 / YAP / 炎症 / 血管透過性 / 血管内皮細胞 / YAP1 / トロンボモジュリン / 血管内皮障害 |
研究開始時の研究の概要 |
播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療薬であるトロンボモジュリンが血管内皮細胞の転写 共役因子Yes-associated protein (YAP)の活性化を抑制する可能性を見出している。 本研究では、敗血症モデルマウス、in vitro培養血管内皮細胞を用いて、 YAPの活性化を制御することで敗血症における血管透過性亢進と臓器障害が改善できるか検 証を行う。
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研究成果の概要 |
敗血症は過剰な炎症と血液凝固の活性化を基盤とし、血管内皮障害を伴う臓器障害を生じる致死率の高い疾患である。本研究課題では血管内皮細胞の転写共役因子YAPを標的として血管内皮障害と臓器障害が改善できるか検討を行ってきた。 我々は臓器障害や血管透過性亢進を示す敗血症モデルマウスを確立したが、組織でのYAPタンパク質の活性化は評価できなかった。培養血管内皮細胞を用いてLPS刺激時にYAPの活性化が起こることを示し、YAPが炎症関連遺伝子の発現に関与することを明らかにした。これらは、血管内皮細胞のYAP活性化の制御によって敗血症性臓器障害や血管透過性亢進が改善する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症症状や臓器障害を抑えることができる有効な治療法はなく、その開発は医学的課題である。これまで抗サイトカイン療法、抗炎症療法、抗血液凝固療法が試行されたが、十分な成果は得られていない。本研究では、血管内皮細胞のYAPの活性化制御によって敗血症時の臓器障害や血管透過性亢進が抑制できる可能性を見出した。特に、細菌由来成分や傷害関連分子パターンにより血管内皮細胞のYAPが活性化すること、また薬剤によるYAP抑制が血管内皮細胞の炎症応答を抑えることを明らかにした。これらの結果は、敗血症の新しい治療標的や治療法の開発につながると期待される。
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