研究課題/領域番号 |
20K09290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
重光 修 大分大学, 医学部, 教授 (40215968)
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研究分担者 |
竹中 隆一 大分大学, 医学部, 助教 (90457606)
松本 重清 大分大学, 医学部, 准教授 (90274761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 心停止後症候群 / 治療介入 / 心停止 / 抗酸化物質 / ビタミンC |
研究開始時の研究の概要 |
心停止・心停止後症候群患者を対象として、酸化ストレスの影響を酸化ストレス測定装置や電子スピン共鳴装置を用いたビタミンC(VC)ラジカル測定で実施し、更にはメタボローム解析を用いて酸化ストレスによる生体内での代謝カスケードの影響まで同時に評価検討することで病態メカニズムを明らかにする。
急性期に適切な量のVCを補充する介入研究を計画し、電子スピン共鳴装置によるVCリアルタイム測定下に、心停止・心停止後症候群患者の急性期にVCを補充して正常範囲を維持することにより、酸化ストレスが血行動態および全身性炎症反応に与える影響を調べ、多臓器傷害の程度や予後を改善できるかを検討する。
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研究実績の概要 |
現時点で介入研究にむけて前研究を行っている段階。これまでの結果をISICEM2020に学会発表しているが、論文化には至っていない。 研究の進捗としては、救急搬送時に血液検査を実施し、研究に使用する血液サンプルが得られた103症例および比較評価のため健常ボランティア15例も対象として酸化ストレスの動態把握を行った。電子スピン共鳴装置を用いた血清VCR/DMSO値の測定にてビタミンC濃度の把握を行ったが、採血から測定結果判明まで最速30分で結果を得ることができ、従来のビタミンC測定法である高速液体クロマトグラフィーよりかなり迅速であり、臨床応用しやすいと考えられた。本方法での結果は従来の測定法による測定値と正の相関があることは以前の論文で示しており、今後の介入研究においても本法を主として立案してくことで問題ないと考える。この血清VCR/DMSO値をみると、救急患者全体では0.265±0.138であり、健常者の0.935±0.203と比較し統計学的有意差をもって低値であった(p<0.05)。心停止・心停止後症候群患者群で0.241±0.131であったが、これも健常者と比較し有意に低値(p<0.05)であった。心停止・心停止後症候群の患者においてビタミンCが有意に低値であり、ビタミンC補充療法が何らかの有益な結果をもたらす可能性が示唆された。一方で、心停止の原因、初期心電図波形、心停止からの推定時間など臨床パラメータとの関連を検討したがいずれも有意な結果は得られなかった。これよりビタミンC補充の必要性は、単純に臨床バラメータのみでは判断できず、その患者の背景や受傷からの時間など多くの要因によるものと思われる。よって電子スピン共鳴装置で迅速にビタミンC濃度を把握し、必要な患者に適切なタイミングでビタミンCを補充することが重要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度、新型コロナウイルスの影響で、臨床現場がひっ迫しており研究に割く時間的余裕がなかった。また実験室内での密な状況を避ける必要があったことも遅延している理由の一つである。実験助手もこの状況で確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス蔓延は急には解決しないと考えられるため、まずは現在の結果の論文化を推進していく。そのうえで今後の介入研究の立案を行っていく。 上記をすすめながら、研究進捗をさせていく体制構築を行う必要がある。休日や夜間などを利用し時間的工夫を行い、研究を進めていくことを検討している。また、研究補助員を確保し、人的不足を解消し進めていきたい。
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