研究課題/領域番号 |
20K09305
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅村 穣 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (20743561)
|
研究分担者 |
嶋津 岳士 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50196474)
山川 一馬 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
藤見 聡 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 主任部長 (70362720)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 敗血症 / 全身炎症反応 / マイクロRNA / バイオマーカー / 全身性炎症反応 / micro RNA / Extracellular vesicles |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は血清中のExtracellular vesiclesに内包されるmiRNAに着目し、その敗血症固有の発現パターンを解明することで、次世代バイオマーカーとして有用性を評価することを目的とした多施設共同臨床研究である。申請者らが先行して行った動物実験からmir-99、mir-215、mir-328の発現が敗血症の特異的マーカーである可能性が示され。特にこれら3種類のmiRNA発現に焦点を当て、以下の二点を実践する ① 次世代シーケンサーを用いた敗血症患者の血清miRNA発現の網羅的プロファイリング ② 血清mir-99、mir-215、mir-328に関してバイオマーカーとしての有用性評価
|
研究実績の概要 |
Micro RNA(miRNA)は低分子non-coding RNAの一種で、相補的な配列を持つmRNAに結合して翻訳抑制による遺伝子の発現抑制を行っている。近年、末梢血中のmiRNAが細胞間の情報伝達に重要な役割を果たしていることが示されている。本研究は、敗血症患者における血清中のmiRNAに着目し、その固有の発現パターンを解明することで、次世代の高感度バイオマーカーとして有用性を評価することを目的としている。 2020年度から2021年度にかけて敗血症患者30名、健常対照10名が研究に参加登録した。2022年度は採取した検体より末梢血中の白血球よりmRNAおよびmiRNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いてmRNAとmiRNAの発現パターンを照らし合わせ、miRNA targeted mRNAのパターンを解析、健常者と敗血症で比較した。結果、敗血症の白血球におけるmiRNAとmRNAの発現が有意な相関、または逆相関するいくつかのパターンが明らかになり、RNAによる炎症反応のシグナル伝達経路の一端が明らかになった。さらに2023年度は患者12名、健常対照4名を対象として、白血球のmRNA、miRNAに加えて、血漿miRNA(循環miRNA)のRNAシークエンシングを行い、敗血症患者において健常対照と比較して変化のある遺伝子を解析した。結果、白血球mRNA1663個とmiRNA14個の発現が有意に変動した。細胞シグナルはTh2シグナルが最も抑制され、GATA3 mRNAの抑制が顕著であった。また白血球および血漿のGATA3 mRNAと関連するmiRNAのうち、血漿における12の循環miRNAが敗血症で発現上昇を示した。以上の結果より、GATA3 mRNAは敗血症において抑制され、循環miRNAがGATA3 mRNAの制御に関与していたことが示唆された。
|