研究課題/領域番号 |
20K09306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40648169)
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研究分担者 |
尾迫 貴章 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (30573844)
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
山田 太平 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00465684)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 小腸移植 / 粘膜バリア / 抗酸化作用 / 水素 / 虚血再灌流障害 |
研究開始時の研究の概要 |
小腸移植は、生体・脳死移植どちらも健康保険の適用となり、今後増加していくことが予想される。我々は、抗酸化作用、抗炎症作用を有する水素ガスの吸入が、ラット小腸移植の虚血再灌流を軽減することを発見しており、水素によるグラフト保護方法が確立すれば、本邦での小腸移植に大きく貢献できると考えた。 本研究の目的は、小腸移植における臓器保存中に小腸グラフトの粘膜面から水素分子を投与する、より安全で臨床応用しやすい戦略について検証するため、ラット小腸移植モデルを用い、水素を豊富に含む生理食塩水のグラフト腸管内腔投与が、小腸移植における虚血再灌流障害を軽減するかを調べることである。
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研究実績の概要 |
ラット小腸移植を使って研究は順調に進んでいる。これまでの臓器保存の研究では、主に血管を介して薬剤を投与する試みがなされてきた。腸管粘膜は最も虚血再灌流障害に弱い組織であり、治療のターゲットでありながら、管腔内投与の研究はあまり行われてこなかった。管腔内投与は直接的で手技的にも容易であり、本実験の成功は、大きく小腸移植の臨床での保存方法を変えることなく臨床応用できる可能性が大きい。 ラットを使った小腸移植モデルは、我々の研究室でこれまで使われてきたものであり、既に確立している。LEWISラットから全小腸グラフトをとり、これを6時間リンゲル液に冷保存するが、保存中、管腔内を洗浄したあとに水素を含む生理食塩水をグラフト粘膜面に注入することにより、虚血再灌流障害のターゲットである小腸粘膜に対し、抗酸化作用、抗炎症作用をもった水素を直接作用させることが出来る。 水素含有保存液の管腔内投与は組織学的にラット小腸グラフトの粘膜障害を劇的に改善し、Everted gut methodにより測定したバリア機能もコントロールに比べより保たれることが分かった。 水素分子が腸管のバリア機能、およびTight Junctionに及ぼす影響を調べ、透過性膜上に単層培養したCaco-2細胞を用いて、腸管上皮の物質透過が水素豊富培養液でどのように変化するか、モノカルボン酸トランスポーターやペプチドトランスポーターなどCaco-2に高発現しているトランスポーターに着目して調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験モデルは我々の研究室ですでに確立しており、基礎実験のdataもあったこと、また研究者は経験豊富でこれまで類似の研究を多く行ってきているが、COVID19感染拡大により十分な研究時間の確保が困難であった為、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、昨年度十分に実施できていない、これまでに得た凍結保存してあるサンプルを使って、メカニズムの検討に移っていく。炎症性サイトカインや粘膜バリア関連物質を中心に水素含有液の効果がどのシグナルに働くかを検討する。さらに、動物を長期間飼育して、短期間ばかりでなくその毒性や長期的な影響も調べ、臨床的な視点からも研究を継続する。
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