研究課題/領域番号 |
20K09317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
鍬方 安行 関西医科大学, 医学部, 教授 (50273678)
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研究分担者 |
室谷 卓 関西医科大学, 医学部, 講師 (20528434)
池側 均 関西医科大学, 医学部, 准教授 (80379198)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 敗血症性ショック / エンドトキシン / 恐怖臭物質 / 上腸間膜静脈血流 / 空腸粘膜組織血流 / sepsis / endotoxin / fear odors / splanchnic circulation / circulatory shock / nitric oxide / iNOS / NOMI |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症ショックの致命的な病態生理には組織血流障害・酸素代謝異常による臓器不全発症が深く関与している。本研究では腸管循環系の循環調節機序の破綻に焦点をあて、その発生メカニズムを解明するとともに制御法の開発を目指す。循環動態破綻の主座として腸管循環系制御、非閉塞性腸管壊死や腸絨毛機能異常発生の抑止を通じて、臓器不全発症を抑制し救命率の向上に寄与することを目的とする。我々が独自に確立したマクロ動物モデルを用いて、1.敗血症ショックに昇圧介入した際に生じる腸管循環異常の病態生理と発生機序を解明し、2.腸管壁および粘膜血流分配異常の発生を抑制する循環管理法を開発し、臨床における治療成績向上へと繋ぐ。
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研究成果の概要 |
ウサギLPSショックモデルを用いて敗血症血行動態を再現し、人工臭気分子群のチアゾリン関連恐怖臭のひとつである2-methyl-2-thiazoline(2MT)の治療的効果を発見した。2MT(80mg volus i.v.)を用いて、対照、LPS単独投与群、2MT単独投与群、LPS+2MT同時投与群の4群間を検討したところ、2MT単独投与の効果は投与直後~150分後まで持続する昇圧が中心で、LPS誘導ショックに対しては、病的血管抵抗減弱を是正して平均動脈圧の低下を抑制し、同時にLPSによる腸管粘膜血流の低下が抑制した。2MTは腸管粘膜血流を維持しながら昇圧効果を有することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症性ショックは、現在集中治療室内における死因の1位をしめる病態である。その理想的な治療法は、病的な血管運動姓メディエータの制御であるが、いまだ成し遂げられていない。国際診療ガイドラインにおいてもnoradrenalineなどの血管収縮薬投与による対症療法に終始しているのが現実である。本研究は人工臭気物質の一つである2MTが、現行の血管収縮薬投与でもっとも虚血の生じやすい部位である腸管粘膜血流を維持しながら腸管循環の病的血管抵抗減弱を制御し、体循環のショックを改善することを明らかにした。臓器虚血の発生を阻止しながら敗血症性ショックを治療する可能性を示唆しており、学術的・社会的意義は大きい。
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