研究課題/領域番号 |
20K09324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有田 英之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (60570570)
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研究分担者 |
梅原 徹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (20792469)
木下 学 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (40448064)
金村 米博 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 機関長・部門長クラス (80344175)
木嶋 教行 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80534627)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経膠腫 / 遺伝子変異 / 二重微小染色体 / Liquid biopsy |
研究開始時の研究の概要 |
二重微小染色体は染色体外DNAの一種であり、がん細胞で特に観察されることが知られていたが、その意義は十分には明らかにされていない。本研究では悪性脳腫瘍の一種である神経膠腫において、二重微小染色体と、遺伝子増幅や診断・予後などの臨床経過との関係を解析し、その臨床的意義を明らかにする。これにより二重微小染色体の臨床経過の予測診断マーカーとしての可能性を検討する。さらに、血液あるいは髄液内の二重微小染色体を検出することで、腫瘍の病型や病勢の非侵襲的診断法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
成人グリオーマにおける臨床的特徴と遺伝子変異を比較検討するため、手術摘出前に研究参加の同意取得が得られた症例を対象に診療情報と遺伝子解析用のサンプルの収集をおこなっている。腫瘍の摘出標本より抽出したゲノムを用い、遺伝子解析をおこなった。ホットスポットが明確な遺伝子であるIDH1(コドン132), IDH2(コドン172), H3F3A遺伝子(K28), TERT遺伝子のプロモーター領域(C228, C250), BRAF遺伝子(V600), TP53遺伝子等の神経膠腫における代表的な遺伝子を直接シークエンスで評価した。染色体1, 19番の欠失についてはMLPA法で評価、また、染色体7, 9, 10番については、PTEN, CDKN2A/B, EGFR遺伝子をMLPA法で検討しコピー数を元に欠失・増幅を判定した。一方、臨床情報として、患者臨床背景(年齢・性別)、治療内容(摘出度、放射線・化学療法)や治療反応性、無増悪生存期間・生存期間といった臨床経過や、MRI画像やPET画像の定性的・定量的評価を行い、データ収集している。遺伝子変異と画像特徴の検討を行ったところ、MRIでガドリニウム造影でT1強調画像で造影増強硬化を認めずFLAIRで大脳皮質のみが高信号を呈して肥厚し白質には変化を認めない所見(Gyriform infiltration)がIDH1/2の野生型グリオーマに特異性が高いことを見出した。すでに、T2/FLAIRミスマッチ所見がIDH1/2変異型星細胞腫で特異的とされているが、これらを合わせて日常臨床レベルの撮像シーケンスで、術前MRI画像から遺伝子を推定できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経膠腫の遺伝子変異の解析と予後や画像などとの比較検討は概ね順調に経過しているが、二重微小染色体の解析法において遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
二重微小染色体の解析法法の再検討を行うとともに、遺伝子・画像解析について検討を継続していく。
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