研究課題/領域番号 |
20K09327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
福井 直樹 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (30752167)
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研究分担者 |
上羽 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00314203)
八幡 俊男 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (40380323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 膠芽腫 / 遺伝子治療 / ナノパーティクル / 幹細胞 / 間葉系 / siRNA |
研究開始時の研究の概要 |
原発性脳腫瘍の膠芽腫は、既存の治療法に対して抵抗性を示し、浸潤性に富むために、長い間、治療成績の大きな改善が得られていない。膠芽腫には、治療抵抗性に関わる幹細胞が存在し、革新的な治療法開発における標的の一つと考えられている。本課題では、①膠芽腫幹細胞における葉酸やその取り込みに関連する分子の機能を探索する。②幹細胞や未分化な膠芽腫に積極的にsiRNAをデリバリーするために葉酸を結合したナノパーティクルを合成し、投与方法に工夫を凝らしながらこれを用いた遺伝子治療の効果を検討する。この研究は、脳腫瘍に限局せず悪性腫瘍のsiRNAのデリバリーによる遺伝子治療法の発展に大きく寄与すると考えられる。
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研究成果の概要 |
膠芽腫において、腫瘍幹細胞を排除する治療法を開発するために、幹細胞特異的に機能する標的分子の効率的な阻害する方法の確立が必要である。本研究では、葉酸を結合したキトサンを主成分とするナノパーティクルを用いて、膠芽腫幹細胞の増殖を制御するCD146に対するsiRNAを腫瘍細胞へデリバリーする遺伝子治療法の開発を目的とした。マウスとヒト神経膠腫細胞において、このナノパーティクルの高効率な取込みが観察された。さらに、このナノパーティクルの投与はマウス神経膠腫モデルにおいて腫瘍の増殖を抑制し、完治せしめた。これらの結果は、ナノパーティクルによる遺伝子治療法が膠芽腫に対して有用であることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界的に様々なナノパーティクルを用いた遺伝子治療法の開発が加速している。腫瘍の中でも極めて予後不良のである膠芽腫に対する革新的な治療法が求められている。siRNAを用いた腫瘍の遺伝子治療法の開発に、動物モデルながらも本ナノパーティクルの有用性と安全性を示唆することが出来た。また、CD146遺伝子が膠芽腫の治療標的として有望な分子であることも証明出来た。ナノパーティクルやCD146に対する阻害剤の今後の開発により最悪性の腫瘍でも回復出来得る可能性を向上させることが期待出来る。
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