研究課題/領域番号 |
20K09343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石井 宏史 金沢大学, 医学系, 助教 (90634171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / RAGE / 好中球 |
研究開始時の研究の概要 |
RAGEは免疫スーパーグロブリン膜蛋白質であり、最終糖化産物AGEやDAMPsがリガンドとして作用することが知られている。我々は、これまでRAGEが糖尿病性血管障害に関与する事、脳梗塞後に虚血巣の収縮血管に発現する事を報告した。研究代表者は以上の研究に着想を得て、RAGE欠損マウスを用い、くも膜下出血(SAH)を作成したところ、好中球のRAGEが脳血管攣縮を誘導することを見出した。本研究ではSAH後の血腫から放出される損傷関連分子が好中球RAGEにより感知され脳血管に遊走、攣縮を誘導するカスケード-DAMPs-RAGE軸及び下流シグナル-の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
好中球のRAGEがいかにくも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮を誘導するか研究を開始した。その結果 【1】隔壁培養により血腫由来HMGB1-好中球RAGE経路を介した好中球の遊走と核が細胞外に放出されるNETosisが観察された。そして攻撃モードに入るシグナル伝達経路を調べた結果、好中球RAGEの下流分子として活性化型Rhoが関与することが分かった。また【2】SAHマウスモデルにおいて好中球エラスターゼ (NE)による脳血管攣縮誘導機構が分かった。 【3】自律神経を介した微小脳血管攣縮機構が分かった。好中球と自律神経による協働機構がSAHの早期脳損傷及び脳血管攣縮機構に関わるかは現在研究中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでくも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮(CVS)の治療標的としては脳血管自体のRhoシグナルやエンドセリンシグナルを対象にした治療薬が日本では認可されてきた。ところが今回我々が発見した新規CVS誘導機構は、血管が攣縮する遥か早くにRAGE依存的に末梢血や骨髄の好中球が脳血管に遊走、浸潤することで引き起こされることによるものだと解明された。今後好中球のRAGEを介したシグナルを標的とすることでより早期により効果的な治療効果が期待される。これによりCVSだけでなくCVSに先行すると想定される早期脳損傷(EBI)の病態機構である可能性が示唆されたためEBIおよびCVS両者の治療標的となりうる。
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