研究課題/領域番号 |
20K09349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
井上 貴雄 山口大学, 大学研究推進機構, 准教授 (80513225)
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研究分担者 |
常盤 達司 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (00636219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 局所脳冷却 / 脳梗塞 / 熱伝導シート / ネコ / 脳低温療法 / 脳卒中 / ニューロモデュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
「脳組織の一領域を均一温度で一塊に制御する方法はあるか?」 この学術的問いに対して、本課題では脳表冷却デバイスに「熱伝導シート」と「冷却ニードル」を融合した「ハイブリッド脳冷却デバイス」を提案する。焦点性てんかんのような局所性の疾患部位の冷却のみならず重症脳梗塞や頭部外傷のような深在性かつ広範な脳疾患部位の冷却を実現すべく、ネコ重症脳疾患モデルを用いて冷却性能・治療効果を評価する。
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研究成果の概要 |
局所脳冷却は異常活動の抑制と神経保護に有効だが、広範な冷却が困難で特に重症脳外傷への適用が難しい。 そこで、ハイブリッド脳冷却デバイスを開発し、広範な冷却を試みた。試作のために、熱伝導シートと冷却ニードルの材料と厚さの選定、配置最適化、ニードル型デバイスの構造の確定などを進めた。その結果、熱伝導シートによる冷却範囲拡大とネコの脳虚血モデルでの脳梗塞サイズ縮小効果を確認した。ニードル型デバイスは金属ロッドでシンプルに熱を奪う方法を採用することで、熱伝導シートとニードル型デバイスを統合した一体化デバイスを試作することができた。このデバイスにより、広範な脳組織の冷却が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は脳温制御の研究に焦点を絞り研究を進めてきたが、最終的に本デバイスはセンサと組み合わせることで、脳活動を同時計測できるニューロモデュレーションデバイスとすることができる。脳活動計測に基づく脳温制御を実現することで、脳神経外科疾患に対する治療効果の改善はもとより、基礎研究における神経機構の調節技術の向上を期待できる。 近年、侵襲式デバイスは世界的にも関心を集めるテーマとなっている。侵襲式の脳活動計測制御デバイスの開発を推進することで、脳疾患治療の先にあるトランスヒューマニズムとも呼ばれる人類の機能を拡張する分野にも関与できる可能性がある。
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