研究課題/領域番号 |
20K09350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有村 公一 九州大学, 病院, 講師 (00638025)
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研究分担者 |
村田 正治 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脳梗塞 / nanoparticle / PDGF / drug delivery / PDGF-B / ペリサイト / drug delivery system / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではPDGF-BBを修飾したナノ粒子を用いた脳梗塞新規治療の開発を目指す。脳梗塞において、血管周皮細胞(ペリサイト)のPDGF―Bシグナルは発症後長期にわたり活性化され神経保護・血管新生・創傷治癒などの重要な働きをしている。我々は先行研究において、マウス脳梗塞モデルの発症24時間後にPDGF-BB修飾ナノ粒子を投与すると脳梗塞体積が減少し神経学的所見の改善が得られることを確認している。本研究ではこのPDGF修飾ナノ粒子の脳梗塞改善効果のメカニズムを詳細に解明すると共に、これをより臨床への応用に近づけるべく投与方法を検討していく。
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研究成果の概要 |
PDGF-BBを修飾したナノ粒子(PDGFB-NP)を培養ペリサイトに投与すると、コントロールと比較して著明にAktのリン酸化が認められた。PDGFB-NPを脳梗塞マウスモデルに投与したところ、PDGFB-NPはMAP2染色で確認される脳梗塞巣やその周囲に集積し、脳梗塞体積の縮小が認められた。またシリンダーテストにおいてPDGFB-NP治療群では有意な運動機能の改善が認められた。 メカニズムを検討したところ、PDGFRβ陽性のペリサイトにおいてAktのリン酸化を介してNT-3の発現が有意に増加していた。さらにPDGFB-NPはアポトーシスの減少と、アストロサイトによる創傷治癒作用を促していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳卒中は我が国の死因の第4位、寝たきりの原因の第1位であり、超高齢社会を迎えるにあたりその対策は喫緊の課題である。脳梗塞の急性期治療は血栓溶解や血栓回収のtime windowを超過した患者に対する有効な治療はなく、新たな治療開発が望まれている。本研究によりdrug delivery systemを活用したnanoparticleによる新しい脳梗塞治療の可能性が見出された。
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