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先端巨大症における成長ホルモン奇異性上昇の生物学的意義;反応振幅の度数分布から

研究課題

研究課題/領域番号 20K09358
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56010:脳神経外科学関連
研究機関金沢医科大学

研究代表者

中川 淳  金沢医科大学, 医学部, 教授 (70262574)

研究分担者 立花 修  金沢医科大学, 医学部, 教授 (40211362)
塩谷 晃広  金沢医科大学, 医学部, 講師 (60747484)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード先端巨大症 / 成長ホルモン産生腺腫 / 経口糖負荷試験 / 奇異性上昇 / 統計学的分布
研究開始時の研究の概要

成長ホルモン(GH)産生下垂体腫瘍を原因とする先端巨大症では,経口糖負荷試験(oGTT)時,正常で認められるGH抑制の欠如が特徴であり,一部の症例では上昇すら示す。この奇異性上昇について近年,その生物的・臨床的意義が改めて注目されているが,一定の判定基準はない。私達は,oGTT時GH反応は反応振幅の統計学的分布に基づき3群に分類され得るとの知見を得ている。
本研究では,この統計学的分布の観察に基づく3群分類が,単なる奇異性上昇の有無という概念的な2群分類に比し,より多くの腫瘍特性と関連するとの仮説を検証,それらの特性がいかなる経路を介して相互に関連し得るを網羅的遺伝子解析により解明する。

研究実績の概要

先端巨大症の一部で認められる経口糖負荷試験(oGTT)時の成長ホルモン(GH)奇異性上昇が,原因となるGH産生腺腫でのホルモン受容体発現や治療薬の効果など,その他の特性と密接に関連することが報告されている。しかし,GH奇異性上昇の判定に一定の基準はない。本研究は,oGTT時のGH反応パターンそのものを統計的に扱うことで,その度数分布が内包しているはずの生物学的特性に基づきGH奇異性上昇の判定基準を作成し,その基準の有用性をGH産生腺腫の具体的な腫瘍特性と対応付けて検証するものである。
これまでに,先端巨大症46例のデータの検討より,oGTT時GHの負荷前値から(抑制・奇異性上昇を問わず)負荷後最も大きく変化した底値または頂値の前値に対する比は,対数変換により90%未満・90%以上200%未満・200%以上の3峰性を示した。この統計学的分布に基づく3群につき,各群2,3例を抽出,マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行ったところ,群1(GHが前値の90%未満に抑制)vs. 群2(GH底値または頂値が90%以上200%未満)と群2 vs. 群3(GHが前値の200%以上に増加)とでは,全く異なる遺伝子発現の増減が認められた。興味深いことに,ここで発現に有意差を認めた遺伝子には,当初予想していた糖代謝調節系の遺伝子は含まれておらず,むしろ腫瘍の増殖や侵襲に関するものが含まれていた。当該年度では,マイクロアレイ結果に対するクラスター分析で上記成績をより確固たるものとするとともに,これらの遺伝子の発現の増減について全例を用いてのreal-time PCRによる確認・遺伝子相互間の作用の解析を計画していた。しかし,後述『7.現在までの進捗状況』に示すように,マイクロアレイ実施の症例数を増やすのみで,当該年度は終了となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍による診療や教育への負担に加え,教室内の体制が大幅に変更となったことにより,診療に割かれる時間が従来の2倍以上となり,研究にあてる時間が激減したため。
マイクロアレイ結果の解析に際して,実際に行うなかで症例数を幾分増やす必要が判明し,その実施のみで当該年度が終了した。

今後の研究の推進方策

教室内体制の変更による診療への負担が,容易に改善することは期待できない。しかし,マイクロアレイにより得られた候補遺伝子の増減を,real-time PCRで確認することは,確実に実施する。さらに,各種腫瘍特性に関するデータの収集を完成させる。その上で,生物学的意義の探究については一時中断し,先端巨大症におけるGH奇異性上昇の判定基準に関する問題提起として,論文を準備,投稿する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 臨床的非機能性下垂体腺腫として再増大を繰り返す21年間の治療経過の後、先端巨大症の検査所見を満たしソマトスタチン誘導体の有効性が認められた多ホルモン性PIT1陽性腺腫の1例2022

    • 著者名/発表者名
      生駒麻貴, 中川 淳, 立花 修, 塩谷晃弘, 平井太郎, 小西一典, 林 康彦
    • 雑誌名

      日本内分泌学会雑誌

      巻: 98 号: S.HPT ページ: 60-62

    • DOI

      10.1507/endocrine.98.S.HPT_60

    • ISSN
      0029-0661, 2186-506X
    • 年月日
      2022-08-20
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Anterior pituitary function in Rathke’s cleft cysts <i>versus</i> nonfunctioning pituitary adenomas2021

    • 著者名/発表者名
      Fujii M, Nakagawa A, Tachibana O, Iizuka H, Koya D.
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 68 号: 8 ページ: 943-952

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ21-0050

    • NAID

      130008079314

    • ISSN
      0918-8959, 1348-4540
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 集学的治療により完全寛解に至るも約6年後に再発した先端巨大症の1例2024

    • 著者名/発表者名
      中川 淳, 立花 修, 木村亮堅, 熊谷泉那, 塩谷晃広, 井下尚子, 池淵文香, 生駒麻貴, 島田圭司, 竹田安孝, 山田壮亮, 林 康彦, 熊代尚記
    • 学会等名
      第34回日本間脳下垂体腫瘍学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 約6年間の完全寛解の後に再発した先端巨大症の1例2023

    • 著者名/発表者名
      鶴岡はるか, 中川 淳, 立花 修, 木村亮堅, 池淵文香, 生駒麻貴, 織田恵里奈, 島田圭司, 竹田安孝, 林 康彦, 熊代尚記
    • 学会等名
      第22回日本内分泌学会北陸支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 臨床的非機能性下垂体腺腫として再増大を繰り返す21年間の治療経過の後,先端巨大症の検査所見を満たしソマトスタチン誘導体の有効性が認められた多ホルモン性PIT1陽性腺腫の1例2022

    • 著者名/発表者名
      生駒麻貴, 中川 淳, 立花 修, 塩谷晃広, 平井太郎, 小西一典, 林 康彦
    • 学会等名
      第32回日本間脳下垂体腫瘍学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 間脳下垂体腫瘍における高プロラクチン血症2022

    • 著者名/発表者名
      立花 修, 中川 淳, 藤井瑞枝, 笹川泰生, 林 康彦
    • 学会等名
      第95回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 臨床的非機能性下垂体腺腫として再増大を繰り返す21年間の治療経過の後,先端巨大症の検査所見を満たしソマトスタチン誘導体の有効性が認められた多ホルモン性PIT1陽性腺腫の1例2022

    • 著者名/発表者名
      生駒麻貴,中川 淳,立花 修,塩谷晃広,平井ら党,小西一典,林 康彦
    • 学会等名
      第32回日本間脳下垂体腫瘍学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 二次性糖尿病;「内分泌疾患を見逃すな!」2021

    • 著者名/発表者名
      中川 淳
    • 学会等名
      第64回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] WHO分類2017が下垂体腫瘍の診断と治療に与えたインパクト2021

    • 著者名/発表者名
      立花 修, 中川 淳, 藤井瑞枝, 塩谷晃広, 山田壮亮, 笹川泰生, 林 康彦
    • 学会等名
      第31回臨床内分泌代謝Update
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 治療抵抗性プロラクチノーマとしての長期経過の後、pasireotideの有効性が認められた巨大mammosomatotroph腺腫の1例2021

    • 著者名/発表者名
      平井太郎,中川 淳,林 康彦,塩谷晃広,小川範子,立花 修,飯塚秀明,古家大祐
    • 学会等名
      第94回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Low GH acromegalyの臨床病理学的検討2021

    • 著者名/発表者名
      立花 修,中川 淳,古家大祐,塩谷晃広,山田壮亮,笹川泰生,林 康彦,飯塚秀明
    • 学会等名
      第94回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 先端巨大症2例におけるoctreotide および pasireotideの効果とソマトスタチン受容体発現との比較2020

    • 著者名/発表者名
      中川 淳,立花 修,塩谷晃広,山田壮亮,飯塚秀明,古家大祐
    • 学会等名
      第93回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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