研究課題/領域番号 |
20K09360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 滋賀県立総合病院(研究所) |
研究代表者 |
北条 雅人 滋賀県立総合病院(研究所), その他部局等, 科長 (60372588)
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研究分担者 |
谷垣 健二 滋賀県立総合病院(研究所), 神経病態研究部門, 専門研究員 (70362473)
丹治 正大 京都大学, 医学研究科, 助教 (50766657)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Prop1 / Notch / VEGF / OSI-930 / 難治性下垂体腺腫 / クッシング病 / PROP1 / NOTCH / HES / DAPT / 下垂体腺腫 / 下垂体卒中 / NOTCH阻害薬 / VEGF受容体阻害薬 / pituitary adenoma |
研究開始時の研究の概要 |
下垂体腺腫の中には増殖が速く浸潤性で難治性の場合があり、それに対する有効な治療法は確立されていない。PROP1は、下垂体発生の過程で最初に発現する下垂体に特異的な転写因子である。我々は、PROP1が分化度の低い(すなわち難治性の)腺腫に発現していることを示した。一方、PROP1の発現は、NOTCH-HES経路との関連性が報告されている。NOTCHに関しては阻害薬の研究が進んでおり、新規治療法開発へとつながる可能性が高いと考えられる。 本研究では、下垂体腺腫においてNOTCH-HES経路とPROP1の関係性を解析し、NOTCH阻害薬を用いた難治性下垂体腺腫の新規治療法の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
難治性下垂体腺腫に対し、VEGF阻害薬の効果が期待されているが、下垂体血管への影響については解明されていない。Prop1は下垂体発生の過程で最初に発現する下垂体に特異的な転写因子で、Notch経路との関連性が報告されている。 本研究では、ACTH産生下垂体腺腫を解析し、分化度の低い腺腫においてPROP1が高率に発現しており、PROP1が難治性下垂体腺腫の治療標的となり得ることを示した。さらに、VEGF受容体阻害薬の投与で、下垂体血管に変化をきたし出血を誘発することを示した。VEGF阻害薬を難治性下垂体腺腫の治療薬として使用する際には、下垂体血管への影響を考慮する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ACTH産生下垂体腺腫において、分化の程度の低い腺腫細胞にPROP1が高率に発現していることを示し、PROP1が難治性下垂体腺腫の治療標的となる可能性を示した。Prop1に関連する因子としてNotch、Notchに関連する因子としてVEGF着目し、VEGF受容体の阻害により高率に下垂体に出血をきたすことを示した。 本研究で、VEGF受容体阻害薬の投与により下垂体卒中を生じるリスクがあることを初めて示すことができた。このことは、抗VEGF療法の下垂体血管に対する作用の解明につながり、難治性下垂体腺腫の新たな治療法を開発するための礎となると考えられる。
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