研究課題/領域番号 |
20K09363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
園田 順彦 山形大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90302140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Glioblastoma / TERT / FLAIR / recurrence pattern / TERTp変異 / メチル化 / ADC / CD133 / cancer stem cell / PTEN / CD44 |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫は中枢神経に発生する悪性脳腫瘍の中で、最も頻度が高く、予後不良な疾患である。 今回、膠芽腫の治療抵抗性の一因となっている腫瘍幹細胞に着目し、幹細胞が腫瘍内で時間的空間的にどのように変化し、再発形式に関与するかを解析することとした。 研究手法としては膠芽腫患者より、同時に複数個所(空間的)、初発再発時(時間的)主要組織を摘出し、幹細胞マーカーの発現を検討する。それらの情報と患者の臨床情報(予後・再発部位・画像所見等)を解析することで、幹細胞の局在がどのように変化していくかを検討する。
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研究成果の概要 |
膠芽腫が予後不良な原因として放射線化学療法抵抗性が挙げられる。我々はがん幹細胞マーカーCD133の発現が腫瘍の再発形式に強く関与していることを明らかにしてきた。本研究ではCD133が再発腫瘍において初発腫瘍より発現が上昇しているかを検討した。結果としてCD133の発現は必ずしも再発腫瘍において上昇は認められなかった。次にTERT遺伝子のプロモータ変異に着目し研究を行った。結果、TERT変異陽性例では画像上造影周囲のFLAIR領域のADC値が低値であり、組織学的にも腫瘍細胞の密度が高いことを確認した。 以上より、膠芽腫においてはTERT変異の有無により腫瘍細胞の浸潤度が異なることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫は通常MRIの造影領域を摘出するのが標準的な手術法となっているが、再発は通常周囲のFLAIR高信号領域から生ずることが多い。したがってFLAIR高信号領域の摘出が近年注目を浴びている。FLAIR高信号領域は造影領域の数倍存在しており、その領域を摘出は通常困難である。今回の解析においてFLAIR高信号領域は腫瘍細胞の浸潤を示す、ADC値がFLAIR内でもバラつきがあり、特にTERTプロモータ変異のある症例では広範囲かつ高密度に腫瘍細胞が存在し、野生型ではその領域が限局していることが明らかとなった。本解析は今後の手術計画をするうえで有用な情報になり得る可能性がある。
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