研究課題/領域番号 |
20K09370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山下 徹 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60644408)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ダイレクトリプログラミング / 脳梗塞 / iN細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでダイレクトリプログラミング法により皮膚線維芽細胞から神経系細胞(iN細胞)を誘導する実験系を確立した。また、近年脳梗塞後の脳内グリア細胞から脳内で直接的に神経系細胞を誘導することにも成功した。本研究では、このダイレクトリプログラミング技術を脳梗塞のみならず神経変性疾患など多様な神経疾患への治療応用へ展開することが目的である。 計画している具体的な研究項目は、① 低侵襲な経静脈的投与による脳内への遺伝子導入技術を確立し、その治療効果を実証する ② 3つの異なる遺伝子を1つのウイルスベクターで遺伝子導入を可能とするポリシストロニックベクターの構築と利用 の2つである。
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研究成果の概要 |
本研究では、低侵襲な経静脈的投与による脳内への遺伝子導入技術を確立し、その治療効果を実証することを目的とした。 まずマウスの血液脳関門(BBB)を高効率に透過できる性質を持つAAVベクターAAV-PHP.eBを用いた遺伝子導入技術を樹立し低侵襲な経静脈的投与による脳内への遺伝子導入技術を確立した。 次に脳虚血マウスモデルにこのAAVベクターを尾静注投与し、その治療効果を評価した。その結果、本治療により脳梗塞マウス海馬における神経新生が亢進し、認知機能が一部改善することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
このダイレクトリプログラミング法はiPS細胞を経ずに神経系細胞を誘導できることから、腫瘍形成能が非常に低いことが期待されている。in vivoで直接患者脳内のグリア細胞から目的の神経系細胞を誘導し神経ネットワークを再構築できれば、細胞移植治療で問題となる培地内の血清の持ち込みなどの感染リスクの回避できるなど利点が非常に多く、その成果の波及効果は高い。しかしながらこのダイレクトリプログラミング法によって誘導された神経系細胞の治療効果や腫瘍形成能は未知の部分が多く、in vivoの系を利用して評価していくことが重要であり、今後臨床現場で治療応用を行うにあたり非常に重要な基礎的基盤となると言える。
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