研究課題/領域番号 |
20K09378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
奥田 武司 近畿大学, 医学部, 講師 (10340796)
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研究分担者 |
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 転移性脳腫瘍 / M2マクロファージ / B7-H5 / 慢性炎症 / 免疫チェックポイント分子 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
転移性脳腫瘍の発症は進行がん症例の予後に影響を与えるため、この脳への転移を制御することが進行がん症例の予後改善に多大な貢献をもたらす。これまでの先行研究から、転移性脳腫瘍病巣にM2マクロファージが集積していることが報告されており、これらの細胞が何らかの関与をしていることが推測されている。そこで、本研究では脳内の免疫細胞であるマクロファージが転移性脳腫瘍発症に関わるメカニズムの解明と、さらに本細胞群を標的とした免疫学的アプローチによる新たな治療法の確立をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では転移性脳腫瘍の病態におけるM2 マクロファージの役割を詳細に解析し、さらに本細胞群を標的とした転移性脳腫瘍に対する免疫学的アプローチによる新たな治療法確立の可能性について検討した。転移性脳腫瘍ヒト検体と動物モデルによる検証で腫瘍内、腫瘍周囲組織に浸潤するマクロファージを解析し、このマクロファージがM2マクロファージであることを確認した。また、これらM2マクロファージは免疫チェックポイント分子であるB7-H5を発現しており、原発巣も同様であることが判明した。これらの結果よりM2マクロファージが脳転移病巣形成に関与していることが示唆される結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転移性脳腫瘍の制御は進行癌症例における治療成績向上に必須の条件であり、新規治療開発が望まれている。この状況の中で本研究では新たな病態として免疫チェックポイント分子の関与を証明した。この結果より、M2マクロファージに高発現しているB7-H5をターゲットとする免疫療法を開発することによって、転移性脳腫瘍制御の新たなアプローチを開発することが可能となった。また、もう一つの展望としてこの新たな免疫療法にて脳への転移を制御する、予防的治療の開発も可能になることが判明した。
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