研究課題/領域番号 |
20K09395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 九州大学 (2022) 鹿児島大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
吉本 幸司 九州大学, 医学研究院, 教授 (70444784)
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研究分担者 |
比嘉 那優大 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (90792200)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | glioblastoma / HDAC7 / glycolysis / glioma / Glioblastoma / Mitochondria |
研究開始時の研究の概要 |
HDAC7 (Histone deacetylase 7)は、ヒストンの脱アセチル化を介してさまざまな遺伝子発現を制御しているのみならず、非ヒストン蛋白の脱アセチル化や、核内で転写因子として作用する分子である。我々は、これまでの研究で膠芽腫の悪性性質獲得にHDAC7の発現が関与していることを見出した。ミトコンドリアは、細胞のエネルギー源であるATPを産生するのみならず、増殖、細胞死、代謝適応を含めた多様な生物学的過程を調節するシグナルを伝達する細胞内小器官である。本研究では、ミトコンドリアの機能制御という観点に着目して、HDAC7が膠芽腫の悪性性質獲得に果たす役割を解明する。
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研究成果の概要 |
HDAC7は、核から細胞質に移行することで腫瘍細胞の悪性化に関与している可能性が考えられるが、これまでの一連の研究結果ではHDAC7は細胞質には局在するものの、ミトコンドリアには存在しないことが分かった。また、HDAC7と相関する蛋白を解析したところ、解糖系を制御する蛋白が同定できた。実際に、U251細胞を用いて、HDAC7を抑制した細胞では、glucoseの取り込みが低下することが確認できた。したがって、HDAC7は、細胞質での解糖系に関わる酵素をregulationすることによって腫瘍細胞の悪性化に関与している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫は依然難治性の疾患であり、有効な治療法が開発されていない。本研究成果は、HDAC7が細胞質の解糖系を制御することで、腫瘍の悪性化に関与していることを示唆するものである。近年は腫瘍細胞の代謝が治療標的として注目を浴びており、その機序としてHDACの関与が考えられるため、HDC7を標的にすることで膠芽腫の新たな治療戦略の確立に結びつつけられる可能性がある。
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