研究課題/領域番号 |
20K09405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松林 嘉孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50747962)
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研究分担者 |
森 大典 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60835354)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80529040)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 整形外科学 / 間葉系幹細胞 / 脂肪由来幹細胞 / 神経根症 / マウス神経障害性疼痛モデル / 脂肪由来幹細胞投与後の局在 / 生体投与後における間葉系幹細胞の変化 / シングルセル解析 / 異種混合細胞RNAシークエンス / 幹細胞治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず神経根症モデルマウスを作成し、行動学的評価や疼痛関連分子につき免疫染色やqPCRを行い疼痛評価系を確立する。 続いて病変部に集簇する細胞につきフローサイトメトリーによりその変化につき調査する。さらに各細胞群を回収しシングルセル解析を行い、各細胞群のサブセットの変化を検証、共焦点顕微鏡による空間的分布の評価も行う。 続いてラベリングしたマウス/ヒト脂肪由来MSCを神経根症マウスに投与し行動学的・分子生物学的評価を行い改善効果を確認するとともに、異種混合細胞RNAシークエンスを行い投与細胞および宿主細胞それぞれの変化につき解析、移植細胞・宿主細胞間の相互作用の全貌を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、神経根症に対する間葉系幹細胞(MSC)を用いた治療のメカニズム解明を行った。マウス神経根症結紮モデルを作成し、MSCを局所投与もしくは静脈投与して疼痛関連行動を解析したところ、MSC投与群で有意に疼痛の改善が見られたが、治療効果は静脈投与群の方が上回る傾向があった。静脈投与群では、投与したMSCは当該神経根周囲に局在しなかったが、当該脊髄領域において神経障害性疼痛の成立に関わるミクログリア、アストロサイトは有意に減少していた。また神経根のRNAseqでは、炎症や疼痛に関連するシグナルが減弱しており、MSCは間接的な手段で神経障害性疼痛を緩和させることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経根症は神経障害性疼痛を引き起こす代表的な疾患であり、既存の治療薬が奏効しない患者も多く、また手術等の侵襲的な治療を行っても改善しないことも少なくない。MSCを用いた治療は様々な領域で研究と実用化が進んでいるが、本研究の成果は神経障害性疼痛に対する治療効果のメカニズムの一端を解明したものであり、今後の開発や普及に貢献するものと考える。
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