研究課題/領域番号 |
20K09406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中瀬 順介 金沢大学, 附属病院, 助教 (50584843)
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研究分担者 |
鳥越 甲順 福井医療大学, 保健医療学部, 教授 (50126603)
葛巻 徹 東海大学, 工学部, 教授 (50396909)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 靱帯断裂 / 再生医療 / テンドンゲル / ゲル状分泌組織 / フィルムモデル法 / 靱帯治癒 / Ⅰ型コラーゲン / 靭帯再生 / 膝関節 / 靭帯分泌組織 / 固有再生能 / 内因性再生 |
研究開始時の研究の概要 |
膝前十字靭帯は自然治癒することは少なく、縫合術の治療成績も不良であることから別組織を用いた再建術が行われる。申請者らは組織自身が持つ治癒再生能力とそれを最大限に引き出すための理想的な環境に着目し、独自に考案した方法により、腱組織における固有再生能の経時的変化を明らかにし、ウサギ内側側副靭帯断端からも同様のゲル状分泌組織が生じていることを確認した。本研究ではウサギ膝内側側副靭帯と前十字靭帯断端から生じるゲル状分泌組織が靭帯に再生するために理想的な修復環境に着目し、ゲル状分泌組織の産生時期や組織学的特徴を明らかにし、膝関節包内・外靭帯の治癒促進効果を見いだす。
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研究成果の概要 |
靱帯由来のゲルと腱由来のゲル(テンドンゲル)は生体保存期間が長いほど成熟度が高くなることがわかった。これは、生体保存期間が短いゲルは線維の配向性を持たず、再生医療材料として適していると言える。一方で、靱帯由来のゲルはテンドンゲルに比して生産量が少ないことがわかり、テンドンゲルによる研究を進めるきっかけとなった。ウサギ内側側副靱帯断裂モデルにテンドンゲルを投与して組織学的検討と力学試験を行った。その結果、術後2週目の検体でテンドンゲル群がコントロール群に比べ、剛性が1.7倍、破断強度は2.9倍に上昇していた。以上より、生体保存期間3日のテンドンゲルは内側側副靱帯の治癒を促進した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的社会的意義としては、腱断端から分泌されるゲル状物質(テンドンゲル)が、再生医療材料として使用できる可能性を示したことである。具体的には、靱帯修復期間を2週間短縮させる可能性がある。テンドンゲルの成分解析は進行中であるが、膠原線維のもとと考えることが出来るため、靱帯や腱組織に対する新しい再生医療材料となりうる可能性がある。
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