研究課題/領域番号 |
20K09411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
内尾 祐司 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (20223547)
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研究分担者 |
松崎 有未 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50338183)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 変形性関節症 / アルギニン酸 / REC / アルギニン酸ゲル / アルギン酸ゲル / REC細胞 / アルギン酸ゲル包埋REC / OA疾患修復薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では変形性関節症(Osteoarthritis: OA)の新しい疾患修飾薬の開発を目的とし、同疾患に対する組織修復・再生促進効果が確認されている生体高分子ポリマーアルギン酸中に、高い組織再生促進効果が期待される高品質高純度間葉系幹細胞(REC: Rapidly Expanding Clones)を包埋した製剤(アルギン酸ゲル包埋REC)を関節内注射投与する方法を考案し、このOAの病態修飾に関わる役割を解明するとともに、臨床応用への可能性を検証するため基礎研究を行う。
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研究実績の概要 |
①In vivo試験(対象動物:ウサギ)i)前十字靭帯(ACL)切離による変形性膝関節症モデル(OAモデル)ACL切離後9週時点で評価し、評価は肉眼所見、組織学的所見とした。単回投与、5回投与ともに肉眼所見、組織学的所見いずれも各群に差はみられずOA抑制効果は示されなかった。 ii)モノヨード酢酸(MIA)投与によるOAモデル:ALG+REC単回投与群、ALG+REC複数回投与群、ALG単独投与、生食投与群の4群で、それぞれMIA投与後4週、8週の2点で評価した。合計2×4=8群で、各群n=5膝(40羽使用)とした。評価は肉眼所見とした。結果はすべての群間において有意差はみられず、OA抑制効果は示されなかった。 ②In vitro試験:i) 軟骨細胞・滑膜細胞に対するRECのパラクリン効果の検証。ヒト正常軟骨細胞、滑膜細胞に対して、炎症刺激としてIL-1βを投与し、RECの共培養の有無でそれぞれの細胞の遺伝子発現(候補遺伝子 MMP-3、IL-6、TNF-α)に変動が起きると仮定し、real-time PCR法を用いて検証した。結果はいずれの遺伝子もIL-1βの刺激により有意な遺伝子発現の上昇を認めたが、REC共培養条件下においても同程度の上昇を認めた。RECの炎症刺激に対する保護作用はみられなかったと判断した。 ⅱ)RECがマクロファージM1/M2分化に与える影響の検証:RECがマクロファージM1/M2分化に与える影響を検証した。マクロファージのM1分化条件(IFN-g+LPS)およびM2分化条件(IL-4)において、REC上清の有無がそれぞれの分化に与える影響を検証した所、M1条件においてREC上清は影響を与えなかったが、M2条件下においてはM2分化誘導を促進する作用がみられた。以上からRECがマクロファージのM2分化誘導を促進する可能性があると判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OAモデルがRECによる病態改善を証明するには、機械的モデルや化学的モデルでは病態が町名であって、RECによって分化誘導されたマクロファージM2の病態改善には至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
RECがマクロファージのM2分化誘導を促進する可能性があることが分かり、OAの病態改善への手がかりを見いだした。今後、RECによって分化誘導されたマクロファージM2の病態改善の促進を図る方法を模索する。
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