研究課題/領域番号 |
20K09413
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
熊丸 浩仁 九州大学, 大学病院, 助教 (50837309)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 脊髄損傷 / 再生医療 / IPS細胞 / 神経幹細胞移植 / 脊髄神経幹細胞 / 皮質脊髄路 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では損傷脊髄に対するヒトiPS細胞由来の脊髄幹細胞移植の有用性と安全性をラットの脊髄損傷モデルを用いて評価する。令和2-3年度にはヒトiPS細胞から脊髄神経幹細胞の誘導・長期培養を確立し、免疫不全ラットの第5頚髄に脊髄損傷を作成し、損傷2週後にGFPを発現したiPS細胞由来の脊髄神経幹細胞(50万個)を損傷空洞内に移植する。移植3・6ヶ月後に免疫染色を行い分化能・増殖能・腫瘍化の有無を解析する。令和4-6年度には宿主の皮質脊髄路の再生の解析を行い、さらにヒトiPS細胞由来の脊髄神経幹細胞の有用性・安全性の判定を行う。
|
研究実績の概要 |
安全性が高いとされるmRNA(KLF-4, c-MYC, OCT4, SOX2)のみを利用してヒト線維芽細胞からリプログラミングされたヒトRNA-iPSC(RiPSC)脊髄神経幹細胞の誘導及び3か月以上の長期培養に成功しさまざまな種類の脊髄ニューロンへの分化能を有していることは確認されさらに免疫不全ラット正常脊髄(第4頚髄レベル)に移植し腫瘍化は認められず、ニューロンへの分化能を有していることが確認された(R3)。 免疫不全ラット損傷脊髄(第4頚髄レベル)にこれらの細胞を移植し(P16)、移植後2か月、4か月に細胞のニューロンへの分化を確認した。その結果、移植細胞は移植後2か月の時点成熟ニューロンのマーカーであるNeuNを発現しており、4か月の時点ではNeuN陽性細胞はさらに成熟した形態に分化しておりニューロンへの分化能を有していることが確認された。さらにGFAP陽性のアストロサイト、NG2陽性のオリゴデンドロサイトへの分化も認められヒトRiPSC由来脊髄神経幹細胞が神経系3系統の細胞に移植後も分化できることが確認された。 免疫染色による定量の結果、ニューロンへ分化した細胞が80%程度であり、ES細胞由来脊髄神経幹細胞(Kumamaru et al 2018 Nat Methods)とほぼ同等の分化を示した。さらに我々が確立した方法で移植ニューロンの識別を行った結果、約30%の移植ニューロンが感覚系ニューロン・約30%の移植ニューロンが運動系ニューロンに分化していることが解明された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腫瘍化が認められた場合には細胞を作り直す必要があったため、大幅な実験計画の遅れが予測されたが、損傷脊髄にRIPSC由来の脊髄幹細胞の移植を行い、腫瘍化を認めず順調に計画は進んでいると考えられる。 さらに移植細胞のニューロンへの分化及びその詳細な識別を行っており、新しい知見も得られた
|
今後の研究の推進方策 |
今後はこれらの細胞を用いて損傷部の空洞内への皮質脊髄路の再生の実験に取り掛かる予定である。
|