研究課題/領域番号 |
20K09423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
日野 純 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40260351)
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研究分担者 |
宮里 幹也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50291183)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 骨代謝調節因子 / 肥満 / 脂肪細胞 / 脂肪肝 / BMP-3b / Tg / エネルギー消費 / CNP / 脂肪肝炎 / 代謝 / BMP |
研究開始時の研究の概要 |
最近の研究により、骨代謝調節因子BMP-3bの抗肥満、脂肪肝抑制作用を実証し、BMP-3bが骨代謝と肥満・脂質代謝の両方を制御する新たな因子であることを解明した。一方、CNPは、骨組織に存在する骨伸長促進因子であるが、CNP過剰発現マウス(CNP-Tg)は、骨伸長作用だけでなく、抗肥満や非アルコール性脂肪肝炎改善作用を見出した。骨代謝調節因子による肥満、脂肪肝炎の制御は、臓器関連の観点からも重要な課題であり、本課題では、BMP-3b, CNPが示す上記作用を検証する。特に骨、脂肪、肝臓に表現型を呈するCNP-Tgの作用や作用機序を解明し「骨組織を中心とした肥満制御」の全貌解明の基盤とする。
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研究実績の概要 |
最終年度は、非アルコール性肝疾患 (NASH)モデルでの検討を実施した。これまで、血管内皮細胞特異的CNP過剰発現マウス(Tg)を用い、2種のNASHモデルでの検討を実施したが、今回は、これらよりヒト病態に近いモデルとして知られる、高脂肪、高フルクトース、高コレステロール食によるNASHモデルを用いた。肝臓組織病変に対するTgの作用は、高脂肪食性モデルと比較すると改善効果は弱く、CDAAモデルに近い作用であった為、まず全身性の作用に着目した。具体的には、肝臓組織におけるTgの炎症マーカー(IL-6)発現量の抑制傾向に注目し、血中のIL-6濃度を測定した。しかし、IL-6濃度は、本モデルでは検出感度以下であり、遺伝子型による違いは見いだせなかった。これは、本モデルでのIL-6遺伝子発現増加量が、他の炎症性マーカー(F4/80, MCP-1)と比較して低い事実と一致していた。次に、NASH合併症として注目されている腎障害に対する作用を検討した。まずは、CNPの主要作用である線維化に着目し、線維化の起点となる萎縮部位を調べるとTgでその数が減少しており、CNPの線維化抑制作用が示された。 一方、CNP同様の骨代謝・肥満調節因子であるBMP-3bの作用について本モデルで検討した。昨年度、BMP-3bの脂肪肝炎抑制作用は報告したが、CNPとの関連も含め、そのメカニズムは不明である。本モデルでの肝臓のBMP-3bの発現レベルを調べると、NASHにおいて顕著に増加していた。また、CNP-TgとWt間でのBMP-3b発現量の違いは認められず、肝臓での、CNPとBMP-3b、両骨代謝調節因子の遺伝子発現レベルでの相互作用はなく、それ以外の部分での作用が示唆された。 BMP-3bの検討については、CNPとの関連、前述のNASH由来の腎障害への作用も含め、本モデルを用い、今後詳細な検討が必要である。
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