研究課題/領域番号 |
20K09426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 功 東北大学, 医学系研究科, 講師 (00718497)
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研究分担者 |
鈴木 健弘 東北大学, 医工学研究科, 特任准教授 (50396438)
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ミトコンドリア代謝改善薬 / 変形性関節症 / ミトコンドリア代謝改善 / MA-5 / 関節軟骨保護 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症(osteoarthritis: OA)は関節痛や運動機能低下により患者の生活の質を脅かす疾患で、本邦での潜在的な患者数は2000万人とされる。OAの発症や進展には、軟骨細胞内でのミトコンドリア機能不全が関与するとされる。近年ミトコンドリア機能改善作用を持つ化合物MA-5とMA-35が同定され、ミトコンドリア機能異常による腎・肝障害の軽減作用が証明された。本化合物はOAの発症や進行を予防し得る可能性がある。本研究では、 MA-5, 35のOAの発症・進行の低減効果を検証し、その軟骨組織に対する影響・効果を検証する。本研究はOAの発症・ 進行を直接的に調節する薬物治療につながる。
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研究成果の概要 |
私達はミトコンドリア機能改善効果を持つ新規化合物MA-5の、変形性関節症(osteoarthritis: OA)の発症・進行低減作用を検証するため、 種々の実験を進めた。具体的には、マウスの膝関節にOAを惹起するDMM(半月板不安定化)モデルを作成し、それにMA-5を4-8週間にわたって連日経口投与し、対照群と比較して膝関節OAの程度や形態に変化が生じるかを検証した。MA-5を8週間連日投与した群で膝関節軟骨の組織像を確認すると、非投与群と比較して膝関節軟骨変性の僅かな減弱効果がみられた。これはMA-5が、膝関節軟骨のOA変化に対して、何らかの保護作用を有することを示す重要な所見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、新規ミトコンドリア代謝改善薬MA-5が関節軟骨損傷に対して抑制的に働くことを示した世界初の研究である。現時点では変形性関節症に対して経口投与により優位に関節軟骨破壊を抑制する薬剤はない。本研究の成果は、今後の変形性関節症の傾向治療薬の開発に向けた新規ミトコンドリア機能改善役の嚆矢であり、今後の研究発展により人類の多くが関節症による痛みから開放される可能を秘めている点に置いて、社会的意義が大きい。
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