研究課題/領域番号 |
20K09443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
赤木 將男 近畿大学, 医学部, 教授 (00273441)
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研究分担者 |
橋本 和彦 近畿大学, 医学部, 講師 (10635569)
墳本 一郎 近畿大学, 医学部, 講師 (20770051)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 早期変形性膝関節症 / 軟骨下骨 / 骨量減少 / 異常骨リモデリング / 骨細胞死 / RANKL / 局所レニン・アンギオテンシン系 / 閉経後骨粗鬆症 / 骨粗鬆化 / 骨細胞 / 破骨細胞 / DMM手術 / つくば高血圧マウス / アポトーシス / 変形性膝関節症 / 膝OAモデルマウス / 骨細胞アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
骨は力学的負荷に順応して骨量を増加する。しかし、なぜ力学的負荷が強い状況で発生するOAにおいて、その早期には軟骨下骨の骨量が低下するのかは不明である。今回の研究では、関節面に強い力学的負荷を加える内側半月不安定化(DMM)膝OAモデルマウスを用いて、軟骨下骨における骨代謝異常の原因を検討する。我々は、これに骨細胞アポトーシスとRANKL発現が重要な役割を果たしていると考えている。そこで、マイクロCTによる軟骨下骨評価、血清骨代謝マーカー評価、免疫組織学的評価を行い、この仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
40週齢の野生型および高回転型骨粗鬆症を示すつくば高血圧マウス(THM)にDMM手術を行い、膝OAモデルを作成した。脛骨内側軟骨下骨の骨パラメータと形態変化をμCTにて観察し、骨細胞数およびTRAPおよびRANKL陽性細胞数を組織学的に評価した。 BV/TVおよびBMDは経時的に低下し、それぞれ術後4週および8週で有意に低下した。しかし、12週でBMD低下を伴うBV/TV増加を認めた。軟骨下骨高さも経時的に減少し、12週で有意に低下した。骨細胞数は経時的に減少し4週で有意差を認めた。TRAPおよびRANKL発現細胞数は経時的に増加し、2週で有意差を認めた。以上の変化はTHMで著しく促進された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早期OAにおいては、軟骨下骨の骨吸収が生じ、その後に軟骨下の骨異常リモデリングと骨形態変化が生じることが示された。また、この骨吸収には、軟骨下骨におけるmicrocrackやmicrofractureに伴う骨細胞死と周囲の生存骨細胞におけるRANKL発現と破骨細胞活性化が関与することが示唆された。 以上より、膝OAの予防や発症抑制には発症前後の軟骨下骨の健全性の維持が極めて重要であり、これを目的とした生活指導、食事療法、運動療法や薬物療法の体系化が必要と思われる。また、THMにおいて上記の機序が著しく加速されることより、閉経後骨粗鬆症予防は女性の膝OAに対する重要な予防戦略となる可能性がある。
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