研究課題
基盤研究(C)
本研究では、CKDモデルラットにおいて、骨粗鬆症治療薬であるテリパラチド製剤(TPTD)と2HPTの治療薬であるカルシウム感知受容体作動薬(エテルカルセチド)の単独およびその併用療法の、骨と骨格筋に与える効果とその機序を明らかにすることを目的とし,CKDモデルラットにTPTDとエテルカルセチドによる治療介入し、骨密度と骨強度、筋力と筋断面積及び筋関連遺伝子を評価し、骨粗鬆症治療薬であるTPTDとエテルカルセチドの骨と骨格筋に対する効果を明らかにする。これらの併用療法が、CKDモデルラットの骨強度と筋萎縮を改善すれば、CKD患者の骨折リスクを軽減する有用な治療法の一つとなりうる。
最初の研究では,StageIVの慢性腎臓病(CKD)モデルラットにおいて骨密度,骨強度,骨微細構造および腎障害の経時的変化を検討した.ラットを用いてCKDモデルを作成し,経時的変化を様々な手法で観察した.その結果,CKD stageIVでは,骨密度と海綿骨および皮質骨の骨強度低下が持続し,海綿骨の骨微細構造は不変だったが皮質骨面積と皮質骨幅が低下した.次の研究では,CKDモデルラットで,エテルカルセチド(EC)とテリパラチド(TPTD)との骨への併用効果を検討した.その結果,CKDモデルラットで,ECとTPTDの併用は,血清Caを低下させ,骨密度と骨強度を増加させることが明らかになった.
本研究では,慢性腎臓病における骨代謝の詳細が明らかになり,さらに薬物治療効果について明らかにすることができた.この結果は骨粗鬆症を伴う慢性腎臓病患者の治療法の発展に寄与するものと考えられる.
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Osteoporosis and Sarcopenia
巻: 7 号: 4 ページ: 121-126
10.1016/j.afos.2021.11.001