研究課題
基盤研究(C)
本研究では、まず成体関節軟骨の表層と深層でRunx2, 3をそれぞれノックアウトし、関節軟骨の維持と変性に与える影響を詳細に解析する。同時に表層、深層の関節軟骨由来の初代培養細胞を用いてRunx2, 3のChIPシーケンス、ATACシーケンス、RNAシーケンスを行い、2つのRunxの転写標的を比較検討する。またRunx結合部位の周辺のゲノム配列から共役分子をスクリーニングするとともに、LC-MSによってその分子の同定に挑む。これらの一連の研究によって、成体関節軟骨の維持とOA発症にRunx2, 3がどのように作用しているかを明らかにする。
Runx2とRunx3が変形性関節症(OA)の発症に果たす役割をin vivoおよびin vitroで検討した。関節軟骨特異的なRunx3ノックアウトマウスは、外科手術による誘導後、ルブリシンやアグリカンの発現低下を伴うOAが加速された。Runx2ヘテロノックアウトマウスではMmp13の発現が減少してOAが抑制された。Runx2ホモノックアウトではOAが加速し、II型コラーゲン(Col2a1)の発現が減少するという二相性の表現型が示された。総合的な転写解析の結果、Runx3の転写標的遺伝子としてルブリシンとアグリカンが挙げられ、Runx2は炎症反応下でCol2a1発現を誘導することが示された。
関節軟骨は 2 型コラーゲンなどのタンパクによって構成され、表面はルブリシンなどの滑らかなタンパクによって覆われている。これらのタンパクが減少すると軟骨が変性し、変形性関節症に至る。この研究では、 Runx2、Runx3 という2つの転写因子がこれらのタンパクを作り出し、関節軟骨を保護していることを明らかにした。Runx3の関節軟骨での作用はこれまで知られておらず、Runx2はむしろ変形性関節症を悪くすると考えられてきた。Runx3の関節保護作用のほか、Runx2にも隠れた関節保護作用があることを示した本成果は、変形性関節症の病態解明のみならず、治療法開発にも貢献すると期待される。
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