研究課題
基盤研究(C)
絞扼性神経障害モデルである、4種類の疼痛モデルを作成し、それぞれの脊髄後角における遺伝子変化を次世代シーケンサーで解析、今まで明らかにされてこなかった共通する遺伝子変化を明らかにする。さらに神経障害性疼痛モデルの脊髄後角で共通して変化する遺伝子を適正化させ、疼痛を緩和できるかを検討する。これにはポリエチレングリコールとポリカチオンにより合成された共重合体(ナノミセル)をキャリアとして用い標的遺伝子mRNAを創生し脊髄後角へデリバリーさせることで、いままでになかった疼痛制御を目指す。
マウス神経障害性疼痛モデルを作成、脊髄後角部を切り出し、RNAを抽出次世代シーケンサーによって網羅的に遺伝子発現変化を調査した。脊髄後角部に対するRNAseqで、患側とShamモデルにおいて発現に変化がみられたものは約70種類存在した。そのうちSNIモデルで発現上昇していたものは6遺伝子でありこれらをそれぞれ遺伝子A~Fと名付けた。遺伝子Aの発現量は、約8000倍もの差があり、有意に上昇していた。また、SNIモデルの健側と患側の比較でも、遺伝子Aの発現量は患側で2.8倍に増加していた。遺伝子B、FもSNIモデルの患側で有意に上昇していた。一方約60種類の遺伝子が発現減少していることも分かった。
末梢神経障害が生じることで脊髄後角において患側では多くの遺伝子発現が低下することが分かったが、少数の遺伝子では劇的に発現が増加することが分かった。様々な神経障害モデルにおける共通の遺伝子変化を抽出し、メカニズムの原因を突き止めることができれば新たな治療標的として期待できると考えられた。
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