研究課題/領域番号 |
20K09471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅野 毅 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (50722493)
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研究分担者 |
照川 アラー (テルカウィ アラー) 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00723074)
清水 智弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (60784246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 好中球 / 細胞外小胞 / 軟骨 / 好中球由来細胞小胞 / 軟骨細胞 / 関節炎 / 炎症収束性貪食細胞由来細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の関節炎誘導メカニズムの解明により、関節炎に対する治療は進歩したが、関節炎により生じた軟骨障害や関節破壊が進行する症例も存在する。この関節炎に伴う組織障害に、「炎症収束に働く貪食細胞」の機能障害が関与することから、これらの貪食細胞が放出する因子を補充することが、関節炎による組織障害の低減に繋がる可能性がある。そこで本研究では、「炎症収束性貪食細胞」が放出する細胞外小胞に着目し、関節炎により生じた組織障害を低減できるか明らかにするとともに、そのメカニズムの解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
炎症を収束させる好中球への誘導刺激を選定し、TGF-βとPPAR gamma agonistによる刺激を受けた好中球が炎症反応によって生じる軟骨細胞の異化因子の発現を抑制することを示した。また、これらの炎症収束型好中球が炎症環境下の軟骨細胞に与える影響に炎症収束型好中球由来の細胞外小胞が寄与していることを示した。炎症収束型好中球由来の。この分子機序として細胞外小胞が軟骨細胞中の炎症シグナルを制御することで、軟骨異化因子放出を減弱させ、軟骨基質の分解を抑制することで、軟骨変性を抑制する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性関節炎の発症は、炎症が適切に収束されない点にある。これまでは、関節炎の活性化メカニズムに着目した研究が大多数であり、炎症収束メカニズムに着目した研究は少なく、関節内の貪食細胞が担う炎症収束メカニズムを解明した研究はない。本研究では炎症収束型好中球は、炎症反応によって生じる軟骨細胞の異化因子放出を抑制しており、この反応に細胞外小胞が関与していることが示された。その分子機序として軟骨細胞中の炎症シグナルを制御することで、軟骨異化因子放出を減弱させ、軟骨変性を抑制する可能性を示した。関節炎の炎症収束に関わるメカニズムを解明したことで、病態の解明や、新たな治療戦略の開発につながる可能性がある。
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