研究課題/領域番号 |
20K09474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
天野 均 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90212571)
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研究分担者 |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
西川 恵三 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (30516290)
青木 和広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40272603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ステロイド性骨粗鬆症 / TH / 抗酸化物質 / PDE阻害薬 / 骨形成 / 骨吸収 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨粗鬆症治療薬 / ステロイドホルモン / 抗酸化作用 / ヘリオキサンチン誘導体 |
研究開始時の研究の概要 |
ステロイドホルモンは骨芽細胞や骨細胞に添加するとNADPH oxidaseを誘導し、活性酸素を大量に産生させることから、ステロイド性骨粗鬆症の発症機序の有力な仮説ともなっている。申請者らは、過剰な酸化ストレスを還元除去すれば、骨形成を維持しながら、破骨細胞による骨吸収を抑制できると考えた。構造式中に窒素を含むキサンチン誘導体であるTHが薬物代謝酵素により酸化されるとNOが産生される可能性がある。NOは、酸化ストレスの中和とcGMPシグナル伝達を示すことを報告されている。本研究では、キサンチン誘導体を使用して、新規のステロイド性骨粗鬆症治療薬への開発を目指す。
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研究実績の概要 |
最終年度として、 ヘリオキサンチン誘導体(TH)による骨芽細胞に対する骨形成能をin vitro実験で再確認した。骨誘導培地にTHを添加し、TH非添加の骨誘導培地群と比較し結果では、既報通り骨芽細胞への分化作用はTH濃度は2~3μM必要であったが、THのみの添加によるαMEM培地群では、驚いたことに骨誘導培地添加時よりも百分の一の30nMTH添加においてALP活性上昇等の石灰化誘導が起こることが認められた。THによる骨芽細胞分化とステロイドホルモンを含む骨誘導培地による骨芽細胞分化は互いに拮抗してしまうことが判明した。また骨芽細胞を分化させることが知られている活性型ビタミンDは転写因子VDRを介して分化促進するが、VDRはステロイドホルモンの転写因子RXRとヘテロダイマーを作り、各リガンドが違っても同様のシグナルを伝える可能性が高い。その証拠に最近の活性型ビタミンDは、ステロイドホルモンの作用とされている骨芽細胞を脂肪滴を含む後骨芽細胞へ分化させたり、apotosis誘導することが報告されている。骨芽細胞分化促進させるシグナルのVDRはCDK inhibitorであるp57と特異的に結合し、核内で細胞増殖を停止させながら分化因子となるタンパク産生を行っていることも我々は昨年度報告した。従って、効率的かつ持続的な骨形成を誘導するには、成熟骨芽細胞への分化作用を促進する因子(TH,ステロイドホルモン等)に前骨芽細胞の増殖因子とを併用することが重要と考えられた。ヘリオキサンチン誘導体は抗炎症・抗アレルギー薬として知られ、ステロイド製剤に替わる喘息治療薬として知られる。ステロイド療法の減薬を促進できるが、量を増加させると細胞増殖を完全に抑制してしまうので、従来考えられていた濃度より低濃度で使用し、前骨芽細胞の増殖分化因子とも併用することが重要であることがわかった。
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