研究課題/領域番号 |
20K09477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神谷 庸成 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50845542)
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研究分担者 |
鬼頭 浩史 あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室), 臨床研究室, 副センター長 (40291174)
三島 健一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40646519)
松下 雅樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60721115)
長田 侃 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80815324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 低リン血症性くる病 / 骨形成 / 骨延長 / 軟骨無形成症 / メクロジン / FGFR3 |
研究開始時の研究の概要 |
軟骨無形成はFGFR3が異常に活性化し骨伸長が抑制される難病である。申請者のグループは、drug repositioningによりメクロジンがFGFR3インヒビターであることを見出し、Achマウスの骨伸長を促進したことを報告した。また、メクロジンはHypマウスの表現型をレスキューしたことを見出した。一方、Achマウスは骨延長における骨形成が亢進していることを報告した。本研究では、骨延長マウスモデルにメクロジンを投与し骨形成におけるメクロジンの効果を検討する。骨延長はAchマウスとhypマウスに行い、骨延長部を経時的にレントゲンおよび組織学的に定量しメクロジンの効果を非投与群と比較する。
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研究実績の概要 |
研究代表者のグループは、乗り物酔い止め薬であるメクロジンが、軟骨無形成症(ACH)で過剰となっている線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)シグナル下流のMAPK経路を抑制するという知見をドラッグスクリーニング法により見出した。これを元に、過剰な線維芽細胞増殖因子23(FGF23)がFGFR3とFGFR1を介して骨石灰化障害を生じる低リン血症性くる病(XLH)マウスモデル(Hyp)においてもメクロジンで骨石灰化が改善されることも見出した。臨床において、これらの疾患で生じる低身長、下肢変形に対して骨延長・変形矯正治療を行うことがあるが、ACHでは骨形成が良好である一方で、XLHでは極めて不良である。本研究では、これらの疾患マウスモデルの骨延長モデルにおけるメクロジンの効果を検討し、それを通してFGFR3シグナルの骨形成おける役割を解明することである。2022年度までに野生型マウス、低リン血症性くる病マウス、高週齢の軟骨無形成症マウスおよびその閉経後骨粗鬆症(OVX)マウスモデルにおいて骨延長モデルの作成、薬剤投与、画像および組織標本の作成を行った。低リン血症性くる病マウスモデルでは延長部の骨形成は極めて不良で、メクロジンによる改善は極めて限定的であった。低週齢の軟骨無形成症マウスモデルでは延長骨の形成が良好であることは過去に報告していたが、高週齢の軟骨無形成症マウスモデルでは骨形成は野生型より不良となっており、さらにOVX処置を行うとさらに不良となった。しかし、高週齢の軟骨無形成症マウスとそのOVX処置後マウスから採取した骨髄由来間葉系幹細胞にメクロジンを添加すると骨分化が促進された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低リン血症性くる病マウスにおけるメクロジンの効果、および高週齢の軟骨無形成症マウスとその閉経後骨粗鬆症モデルの骨延長モデルにおける検討は完了し、それぞれ論文投稿と受理が完了した。現在は低リン血症性くる病マウスモデルの骨延長モデルの画像解析と組織解析を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
低リン血症性くる病マウスモデルの画像解析と組織評価を進めるとともに、その結果についての解析を行い、学会報告と論文作成を進めていく。
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