研究課題/領域番号 |
20K09479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
海渡 貴司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (70623982)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | in vivo / imaging / chondrocyte / osteoblast / bone / trans differentiation / bone regeneration / 生体内イメージング / 内軟骨骨化 / 成長軟骨 / 骨折モデル / 異所性骨化モデル / transdifferentiation / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 骨折 / 異所性骨化 / 内軟骨性骨化 / 肥大軟骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
体の骨の大部分は、まず軟骨組織形成された後に軟骨が骨に置換されるといる内軟骨性骨化によって作られる。以前は先に形成された軟骨組織は完全に吸収され消失した後に新たに骨を作る細胞が誘導され骨が形成されると考えられていたが、近年の研究結果により軟骨を形成する軟骨細胞の一部が骨を形成する細胞に変化することが明らかになった。しかしこの過程を生体内で動的に観察した報告はない。本研究の目的は、2 光子励起顕微鏡を用いて内軟骨性骨化の過程を生体内で可視化し、軟骨由来の骨形成細胞と軟骨を経ない骨形成細胞の機能的・形態的違いを明らかにすること、各種薬剤介入による内軟骨性骨化の最適化手法を検討することである。
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研究実績の概要 |
骨折治癒や骨再生において、骨形成過程を観察することは治療効果を最大化するうえで意義が大きい。我々は、過去に骨芽細胞、血管および新生骨を生体内で可視化し経時的に観察することで、BMP誘導異所性骨化過程の生体内イメージング方法を確立した。しかし、大部分の骨形成プロセスである内軟骨骨化過程を解明するには、軟骨を可視化することが必要と考えた。そこで、我々はX型コラーゲンを赤、I型コラーゲンを緑で蛍光標識した2重標識トランジェニックマウスを作成し、生体内で軟骨細胞と骨芽細胞を同時に観察することに成功した。このマウスを用いることにより軟骨細胞を経て骨芽細胞になった細胞(赤と緑が混ざり黄色となる)と、軟骨細胞を経ずに骨芽細胞になった細胞(緑)を区別することができる。二重標識マウスの骨髄から採取した細胞には、赤い軟骨細胞に加えて、緑および黄色の骨芽細胞を認め、骨髄内には多様な分化段階、分化経路の細胞が混在することが示された。また、成長軟骨のin vivo観察では、成長軟骨から骨幹端に存在する一次海綿骨稜は、大部分が黄色の細胞で構成され、従来は成長軟骨細胞はアポトーシスをして死滅し、骨幹端では申請血管により骨芽細胞が誘導され骨形成が行われるとする説を覆し、軟骨細胞が脱分化して骨芽細胞に分化するtrans differentiationが生じていることをin vivoで初めて証明した。本研究成果は、骨再生の最適化を軟骨細胞および骨芽細胞の両者の観点からおこなう上での評価系を確立した点で意義が大きい。この評価系を用いることで骨再生の最適化、効率的な骨再生が実現すれば、骨折や骨欠損を有する症例における早期ADL,QOL回復に貢献することが期待される。
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