研究課題/領域番号 |
20K09481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
徳永 琢也 熊本大学, 病院, 特任助教 (60759520)
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研究分担者 |
唐杉 樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (80706482)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腱板修復 / enthesis / Scleraxis / Sox9 / TGF-β2 / progenitor / rotator cuff / tendon-to-bone healing / scleraxis / sox9 / enthesis healing |
研究開始時の研究の概要 |
腱板断裂に対する腱板修復術後の修復不全や再断裂は臨床上の課題である.近年,発生過程の研究で転写因子のScleraxis(Scx)とSox9を共発現する前駆細胞(Scx+/Sox9+細胞)が腱付着部形成に寄与し,付着部形成の制御因子の一つとしてTGF-β2が報告されている. また,マウスモデルを用いた先行研究で,腱板損傷後の修復過程に内在性のScx+/Sox9+細胞が寄与している可能性が示唆されている.本研究では,ScxGFP遺伝子改変ラットの腱板修復モデルを用いて,TGF-β2局所投与の修復過程におけるScx+/Sox9+細胞への影響とその修復促進効果を検証し,新たな修復促進治療の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では腱板修復過程におけるTGF-β2のScx/Sox9共発現細胞の動員と修復促進効果を野生型とScxGFP遺伝子改変ラットモデルで検証した。術後6週の力学試験では群間に有意差はなかった。また, 術後2週の組織では両群で骨近傍に少数のScx/Sox9共発現細胞が確認され,術後4週ではScx/Sox9共発現細胞は減少し,線維軟骨層の修復はみられなかった。本モデルにおいてTGF-β2によるScx/Sox9共発現細胞の動員促進, 線維軟骨層修復促進, および力学強度の上昇などの効果は確認されなかった。その一因として、Scx/Sox9共発現細胞に分化する内在性の前駆細胞の不足の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では成熟ラットの腱板縫合後の腱骨間の修復過程において, TGF-β2の投与による修復促進効果は認められなかった。また、成熟動物の修復過程において内在性のTGF-βシグナルはある程度充足している一方で, 線維軟骨層の修復に寄与する前駆細胞が著しく不足している可能性が示唆された。これらの結果は今後の腱板修復を促進する治療法の確立のための新たな戦略につながる知見となることが期待される。
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