研究課題/領域番号 |
20K09482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
前田 真吾 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (60353463)
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研究分担者 |
谷口 昇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20626866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | enthesis / Sox9 / Scx / 腱板損傷 / Scleraxis / 腱板再生 |
研究開始時の研究の概要 |
腱板の断裂部であるenthesisの4層構造(線維性腱部;非石灰化線維軟骨部;石灰化線維軟骨部;骨性部)の再生に必須で未知の転写因子を検索し、機能解析する。本研究では、Sox9とScxが協調的に誘導する未知のenthesisマスター遺伝子の存在を想定し、これをSox9/Scxのgain/loss-of-function後のマイクロアレイ解析で検索・同定し、間葉系幹細胞(MSC)のenthesis分化とMSC-engineered tendon形成に与える影響、さらに腱板断裂修復動物モデルの治癒への効果を評価し、臨床応用への基礎データを収集したい。
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研究成果の概要 |
本研究目的は、Sox9とScxが協調的に誘導する標的遺伝子を同定し、enthesis再生における役割を解析する事である。Sox9/Scxそれぞれの発現アデノウイルスを作製し、初代マウス間葉系幹細胞に感染させた後のmRNAサンプルを用いてRNAシークエンス解析を施行した。Sox9とScxを同時に加えた時に2倍以上の発現増加がある遺伝子224個を得た。Gene Ontology解析すると、オプソニン化、カルシウム・シグナル、骨格筋収縮、炎症反応、骨リモデリング制御、アクチン制御などに関わる遺伝子群が増えており、パスウエイ解析では、補体凝固経路、神経活性化経路、アクチン骨格制御経路などが動いていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Sox9とScxが間葉系幹細胞において協調的に誘導する遺伝子群が、オプソニン化、カルシウム・シグナル、骨格筋収縮、炎症反応、骨リモデリング制御、アクチン制御などに関わる事が示唆された。これらは、補体凝固経路、神経活性化経路、アクチン骨格制御経路などの制御に関わると予想され、既存のenthesis形成の概念からは大きく乖離した部分も大きい。興味深いのは補体活性化経路であり、無菌的な環境下でSox9とScxがなぜこれを誘導するのか、補体の新たな機能を解明するきっかけにもなるかもしれない。
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