研究課題/領域番号 |
20K09496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
柳下 和慶 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 教授 (10359672)
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研究分担者 |
大原 敏之 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (00793001)
小柳津 卓哉 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60647709)
山本 尚輝 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60808046)
星野 傑 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (70836923)
塩田 幹夫 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80817635)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋再生 / 高気圧酸素治療 / 圧挫損傷 / アイシング / 温熱 / 酸素濃度 / 酸素濃度測定 / 筋肉 / 外傷 / 高圧・高酸素 / 組織修復 |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ軟部組織外傷の急性期では、損傷部の腫脹に伴う内圧の上昇・末梢循環の血管抵抗の増大により血流障害を呈し組織低酸素環境となり正常の細胞活性が低下する。 外傷急性期治療ではRICE治療が標準的処置とされるが、アイシングは末梢血管を収縮させ、結果的に局所低酸素環境を惹起することが懸念される。 本研究の目的は、ラット骨格筋圧挫傷モデルを用い、アイシングによる組織酸素分圧への影響と、損傷組織修復過程に与える影響を検討することである。さらに温熱療法による損傷組織内の酸素分圧変化と修復過程への影響を検討する。 また、組織酸素分圧の観点からアイシングに併用する酸素および高濃度高圧酸素吸入の有効性を評価する。
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研究成果の概要 |
ラット骨格筋圧挫損傷モデルを用い、アイシング・温熱療法が損傷骨格筋の組織酸素濃度と再生過程への影響を検討し、アイシングに併用する高濃度高圧酸素(HBO)環境の有効性を検討した。酸素濃度は損傷30分で対照群に対しアイシングで有意に低下し、温熱療法とHBOで有意に上昇した。アイシングHBO併用で酸素濃度はより早期に正常値へ回復した。再生筋線維数は損傷5日後で温熱療法、HBO、アイシングHBO併用で有意に増加した。損傷急性期のアイシングで骨格筋内は低酸素環境となるが、HBO併用で低酸素環境が改善し骨格筋再生が促進すると考えられた。温熱療法は損傷筋内酸素濃度の低下を抑制し、筋再生の促進が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷急性期の処置として考えられているRICE療法もしくはPRICE療法の中でもアイシングについては、組織酸素化もしくは組織修復への影響についてはエビデンスが少なかった、今回の研究結果で、少なくとも組織酸素濃度の観点からは漫然としたアイシングには注意が必要なことを、スポーツ現場に警鐘を鳴らすことができるだろう。また酸素や高気圧酸素の併用によりアイシングの悪影響を最小限にする可能性を示すこととなり、酸素や高気圧酸素が新たな急性期処置として期待される。
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