研究課題/領域番号 |
20K09508
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
稲垣 有佐 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60707529)
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研究分担者 |
岡村 建祐 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60812691)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / ヒト人工多能性幹細胞 / 低酸素 / 骨分化 / iPS細胞 / 酸素濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症の病態の一つとして軟骨下骨の骨硬化があるが、軟骨下骨への血管新生などによる酸素濃度の変化が影響していると考えられる。しかし分子レベルでの詳細な機序は未だ明らかにされていない。研究代表者らは低酸素環境中のラット骨髄間葉系幹細胞が通常酸素環境へ暴露されることで骨形成能が促進されることを既に報告した。本研究では、ヒト人工多能性幹細胞を骨形成培養し、分子レベルで酸素濃度と骨形成の機序を解明、更に変形性関節症患者の人工関節置換術時に、同意の上で採取した骨軟骨組織を組織学的にも検証することにより、変形性関節症の病態解明および新規薬剤の開発に資することである。
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研究成果の概要 |
変形性膝関節症(KOA) は大変重要な福祉健康課題であるが、その発症に関与する分子レベルでの詳細については未だ明らかにされていない。本研究ではヒト人工多能性幹細胞(iPSCs) を用い、培養酸素濃度変化時の遺伝子発現量の解析を行い、KOAの病態解明と、将来的にそれに対応した新規薬剤の開発に資することである。 本研究結果から、酸素濃度7%の環境下であっても、培養中に酸素濃度を変化させても、ヒトiPS 細胞の骨分化が示された。さらに、骨分化誘導培養中に酸素濃度を上昇させることで、骨分化が進行が示唆された。以上より、微小環境の酸素濃度変化が、KOA進行に寄与している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症(KOA)は膝関節への力学的ストレスを中心とした多因子性疾患であり、疼痛や可動域制限により活動性が低下し、Quality of Life (QOL) の悪化要因とされる。我が国では有症状者は780万人、単純X線写真で異常所見のある者は2530万人と高い有病率が推定されており(Yoshimura et al. J Bone Miner Metab 2009)、急速な高齢化により、今後ますますの患者数増加また、KOAは転倒リスクや大腿骨近部骨折のリスクとなり、社会的にもKOAの治療は大変重要な課題である。
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