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Copersの適応能力を踏まえたリハビリテーション戦略の開発を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 20K09515
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)

研究代表者

小西 優  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (90390301)

研究分担者 竹下 大介  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60847060)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワードACL / 前十字靭帯 / リハビリテーション / 神経筋制御 / 着地動作 / 外乱 / 大腿四頭筋 / ACL損傷 / ランディング動作 / 筋電図
研究開始時の研究の概要

着地動作は、最も頻繁におこるスポーツ動作のひとつであり、それに対する適応能力は、重要である。ところが、実際のスポーツ活動中に起こる着地動作は、選手の予測した通りのタイミングで起こる着地ばかりでなく、予測が裏切られる場合もある。予測内の着地動作に対しての適応能力が高いからといって必ずしもスポーツへの適応能力の高さを反映しているとは言えない。靱帯による力学的支持が不足しているACL損傷患者にとって、予測外の着地動作中に関節周囲筋の活動を健常者以上に高められれば、スポーツ活動に適応できる可能性は高くなる。本研究では、この筋活動の上昇をCopersの適応戦略の一つと考え、そのメカニズムの解明を試みる。

研究実績の概要

膝前十字靭帯損傷後、再建術を受けずともスポーツ活動に適応できてしまうACL損傷患者(Copers)が存在する事は予てより知られてきた。予測外のタイミングでおこる着地動作中であっても膝関節の安定性を維持できる能力を獲得させるリハビリテーションプロトコルを開発することができれば、全てのACL損傷患者が、様々なスポーツシーンに適応できる可能性が高まる。このCopersの有する適応メカニズムを応用し、患者の競技復帰までのプロセスの効率性、安全性を高めることのできるリハビリテーションプロトコルを確立することが、我々の最終的な目標である。
Copersが競技に適応できるメカニズムを解明し、リハビリテーションに応用できれば、あらゆるACL損傷患者が安全に競技復帰できる可能性が格段に高くなり、ACL損傷患者のための安全かつ効果的なリハビリテーションプログラムの構築が可能となる。そこで、先行研究で明らかになったPotential Corpersが持つ健常者よりも高いレベルで筋活動を上昇させる能力を適応戦略の一つと考え、そのメカニズムの解明を試みてきた。
2023年度は、2020年度から起こった新型コロナウィルスの蔓延により遅延してきた、前十字靭帯損傷患者のリクルートが、当初、予定してたペースに戻った。それにより、十分な数の被験者を得ることができるようになった。加えて、健常被験者から得たデータを用いて執筆した論文も国際誌(Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports, 2024, 34(1), e14568)に採択され、順調に研究を進行することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、国立病院機構甲府病院で行うことを前提に計画されていた。しかしながら、2020年に発出されたコロナウィルス蔓延による緊急事態宣言の影響により、本計画の計画段階で、期待していた前十靭帯再建術の手術件数が著しく減少してしまったことに加え、病院への不急不要の出入りが、制限されてしまった。そのため、前十字靭帯損傷患者のリクルートのペースがが大幅に遅延していた。しかしながら、2023年5月の緊急事態宣言の解除により、その状況が大きく改善した。その結果、2023年度には、十分な数の前十字靭帯損傷患者の被験者を確保することができるようになった。
2023年度に得られた前十字靭帯損傷患者のデータ解析はほぼ終了している。現在は、分担研究者である東京大学の竹下大介准教授らとデータの解釈に関して積極的にディスカッションを行っている。そして、その結果を踏まえて、可及的速やかに国際誌への投稿を行う予定である。また、2023年中に竹下大介准教授らとは、これまで、健常被験者を用いて収集してきたデータをまとめ、国際誌への投稿を行った。そして、この論文は、既に採択され出版されている(Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports, 2024, 34(1), e14568)。これらのことから、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策は、2023年度中に解析を終えた前十字靭帯損傷患者のデータを用いて、論文を投稿していく予定である。具体的には、学生が夏休みに入り授業が行われない8月から9月を目途に論文を投稿可能な状態にしていく予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2022 2020 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)

  • [国際共同研究] University of Belgrade(セルビア)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [国際共同研究] University of Central Florida(米国)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Auckland University of Auckland(ニュージーランド)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Tactile stimulation restores inhibited stretch reflex attributable to attenuation of Ia afferents during surprise landing2024

    • 著者名/発表者名
      Yu Konishi, Ryo Yoshii, Daisuke Takeshita
    • 雑誌名

      Scandinavan Journal of Medcine and Science in Sports

      巻: 34:e14568. 号: 1 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1111/sms.14568

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Gamma Loop Dysfunction as a Possible Neurophysiological Mechanism of Arthrogenic Muscle Inhibition: A Narrative Review of the Literature2022

    • 著者名/発表者名
      Konishi Yu、Yoshii Ryo、Ingersoll Christopher D.
    • 雑誌名

      Journal of Sport Rehabilitation

      巻: 31 号: 6 ページ: 736-741

    • DOI

      10.1123/jsr.2021-0232

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Effects of 8-Week Exhausting Deep Knee Flexion Flywheel Training on Persistent Quadriceps Weakness in Well- Trained Athletes Following Anterior Cruciate Ligament Reconstruction.2022

    • 著者名/発表者名
      Frederick James Henderson, Yu Konishi, Norihiro Shima, Yohei Shimokochi
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 19(20) 号: 20 ページ: 13209-13209

    • DOI

      10.3390/ijerph192013209

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Stretch reflex changes in ACL‐deficient individuals and healthy controls during normal and surprise landings2020

    • 著者名/発表者名
      Yu Konishi, Peter J McNair, David A Rice, Satoshi Ochiai, Tetsuo Hagino
    • 雑誌名

      Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports

      巻: 30 号: 12 ページ: 2342-2351

    • DOI

      10.1111/sms.13810

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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