研究課題/領域番号 |
20K09517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
畠山 真吾 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (10400136)
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研究分担者 |
米山 徹 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50587649)
大山 力 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80282135)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中性子補足療法 / 癌特異的療法 / 泌尿器癌 / 癌特異的中性子補足療法 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の抗がん剤治療が抱える弱点は、細胞毒性の強い薬剤を全身投与する点にある。これら副作用を減らし高い抗腫瘍効果を得るためには高濃度の抗がん剤をがんのみに到達させる必要がある。私たちは、がんの腫瘍血管に選択的に結合するペプチド(IF7ペプチド)を世界に先駆けて開発し、抗がん剤との組み合わせによる腫瘍血管内皮細胞を標的とした治療効果を報告した。一方、ホウ素やガドリニウムを用いた中性子補足療法は高い効果が期待されているが、がん組織への低い特異性が解決すべき課題である。本研究では、IF7ペプチドを中性子補足療法に応用し、より低侵襲かつ高効果ながん治療法の開発を目指すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
現在の抗がん剤治療の課題を改善するため、がんの腫瘍瘍血管に選択的に結合するペプチド(IF7ペプチド)とホウ素やガドリニウムを用いた次世代中性子補足療法の有効性を検討した。IF7とボロンを結合させた化合物IF7-BSHは、従来のBPA薬剤の1/25の低用量で抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。続いてIF7とガドリニウムを架橋した157Gd-IF7化合物を作成し、動物用MRIで集積を確認したが、尿排泄が亢進し腫瘍に集まる前に尿中排泄されてしまい、157Gd-IF7化合物投与による腫瘍集積も確認できなかった。臨床応用については、IF7-BSHをベースの治療法の開発が有用と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中性子捕捉療法は腫瘍特異的な細胞傷害作用を示す放射線治療法である。有望な次世代放射線治療として注目されているが、10BやGd薬剤の腫瘍細胞への集積効率が悪く、将来的な治療適応拡大のためには、腫瘍特異性を改選する必要があった。我々は、腫瘍血管内皮表面に発現するアネキシンA1に結合するIF7ペプチドとホウ素製剤の複合薬剤(IF7-BSH/BPA)を開発し、既存ホウ素製剤に比べ、600倍の腫瘍特異的ホウ素集積を示し、抗腫瘍効果を明らかにした。臨床応用までにはまだ時間が必要であるが、現在の抗がん剤治療の課題を改善する試みとして研究成果の学術的意義や社会的意義は大きいと考えられる。
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