研究課題/領域番号 |
20K09546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
釜井 隆男 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80316562)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / FH / SDH / HLRCC / Keap1 / Nrf2 / NGS |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、TCA回路の構成因子あるFH、癌遺伝子であるAkt、転写因子であるNrf2の3つの経路の異常が関連性を持って腎細胞癌の進展に関与していること、一方で、インターフェロン(IFN)経路とAkt経路の異常亢進状態では、腫瘍誘導性にPD-L1の発現が高くなることを報告した。 今回我々は、細胞の生命活動のエネルギー源であるTCA回路のメンバー(FH、SDH等)や、抗酸化作用とエネルギー代謝に関係しているKeap1、Nrf2の遺伝子やタンパク質レベルでの異常が、免疫回避にどのような影響を与えているのかについて解析し、腎細胞癌におけるエネルギー代謝異常と免疫回避機構との関連性を検討する。
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研究成果の概要 |
以下のことを報告しました。(1)腫瘍細胞におけるPD-L1の発現上昇とTILDの上昇は、組織学的悪性度、pTステージおよび末梢血好中球とリンパ球の比率の上昇と関連していた。腫瘍細胞におけるPD-L1の発現上昇、より高いTILDおよびPD-L1またはTILDのいずれかの発現上昇をともなうI型、III型、またはIV型腫瘍は、分化度および局所浸潤と正の相関を示した。(2)ヒトRCCにおけるSDHA遺伝子変異の役割を検討した。129例のヒトRCCにおけるSDHA/B/C/D遺伝子変異を検討した。SDHA遺伝子の1塩基変異(SNVs)が検出された。しかし、SDHB/C/D遺伝子変異は検出されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)腫瘍微小環境におけるPD-L1の発現とthe tumor-infltrating lymphocyte density (TILD)がupper urinary tract urothelial carcinoma (UTUC)の進行に影響を与えることを示した。したがって、この癌のより効果的な治療戦略を開発するには、腫瘍微小環境の免疫学的特性を解明する重要性を明らかにした。(2)この研究では、SDH欠損腎細胞癌(RCC)においてはSDHA遺伝子の一塩基変異体(SNVs)が129例中11例に検出され、SDHB/C/D遺伝子変異は検出されないことを明らかにした。
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