研究課題/領域番号 |
20K09551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
能見 勇人 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (80418938)
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研究分担者 |
東 治人 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (40231914)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | BCG / M1 / 腫瘍関連 / BCG療法 / 尿路上皮癌 / 膀胱注入療法 / 牛結核菌 / マウス / BCGマクロファージ / M1マクロファージ / 腫瘍関連マクロファージ / 膀胱癌 / 再発予防 / マクロファージ吸着 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
膀胱癌の再発予防療法で実臨床でBCG膀胱内注入療法が施行され有効性が確認されているが、頻尿、疼痛、発熱といった副作用と計6-8回のBCGの膀胱内へ注入を要し、患者の負担を要する。我々は、腫瘍関連マクロファージ (TAM)の吸着物質の抗腫瘍効果を見出したが、この作用機序がBCGと同様に、単球/Mφ系を局所で枯渇させ、 悪性腫瘍に利用される腫瘍関連マクロファージ(TAM)を著減させることが抗腫瘍効果の主な作用であるという点に着目しており、これをより明確にするために、マウスの腹腔内に腫瘍を移植したモデルを作成し、その腹腔内にTAM吸着物質やBCGを投与し、抗腫瘍効果等を比較検討する。
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研究実績の概要 |
膀胱癌に対して実臨床で行われるBCG(牛結核菌)の膀胱注入療法は、再発予防療法では最も有効な治療法であり、また膀胱癌の免疫賦活療法として最も安価な方法であり広く使用されている。しかし、頻尿、排尿時痛、発熱などの副作用が多い点が問題であり、また投与回数も6-8週にわたり毎週1回投与を繰り返すという継続した労力を要するものである。BCGが膀胱癌細胞に直接はたらき細胞障害効果を発揮するのなどの報告も含め、複数の報告がなされるもののBCGの作用機序は未だに明確にはなっていない。 我々は、BALB/cマウスの腹腔に移植した腫瘍細胞のMeth A細胞とP815細胞の増殖において、BCGによる免疫賦活が抗腫瘍効果をいかに発現するのか検証している。BALB/cマウスの腹腔内に、BCGとMeth Aを単純同時投与したモデルと、これにBCGをマウス腹腔に先行投与をしたモデル(感作モデル)を比較ところ、感作モデルの方がBCGの抗腫瘍効果が強いが、免疫賦活は1weeks前に単回行うことでも十分な効果があることを確認した。本実験もモデルがBCG療法と近い機序による免疫賦活を行っていることを少なくとも否定しないが、BCG感作回数に関してマウス腹腔と人間の膀胱では単純に相関はしない点は考慮を要するが、基礎的には重要なデータと考え、解析をすすめる方針としている。マウス肥満細胞腫であるP185でも同様に経過を確認している。 BCG感作BALB/cマウスの腹腔内にMeth A腫瘍細胞とBCGと同時に移植したモデルの腹腔内に分泌されるINFγについてELAISA法で調査し、IFNγは腫瘍投与後日数を経て上昇することを確認した。FACSを用いた調査からもMφを含む免疫賦活がBCG療法作用機序が中心と考えている。確認のため、BCGが腫瘍に直接作用するか否かもin vitroで並行して検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BCGの腫瘍抑制効果が、我々のモデルでは比較的顕著に確認できている点は順調であるが、効果が良好であるゆえ、BCGの減量の程度を検証する追加実験を要する点ではやや時間をようしている。これらを鑑みて、おおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
BCG感作BALB/cマウスの腹腔内にMeth A腫瘍細胞とBCGと同時に移植したモデルの腹腔内に分泌されるサイトカインで経時的な変化をELAISA法で調査し、IFNγは腫瘍投与後日数を経てIFNγは上昇することを確認しており、他にIL2などのサイトカインの分泌にについても調査を予定している。Mφを含む免疫賦活がBCG療法作用機序が中心と考えているが、引き続きマウスの腹腔にBCGと腫瘍細胞を注入する実験を行い、その際同時に投与したMφ吸着物質が、効率を改善するという予備実験の結果の原因をさらに確認する。BCG感作マウスの腹腔にMeth A腫瘍細胞とMφ吸着物質を投与してもMethA腫瘍細胞の増殖が十分抑えられるが、BGC単独でも感作マウスにおては十分な腫瘍抑制効果が得られるため、BCGの投与量と腫瘍吸着物質の量を減じて検証中である。また、BCGが腫瘍にin vitroで直接作用するか否かも並行して検証する予定である。
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