研究課題/領域番号 |
20K09557
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
宗 修平 浜松医科大学, 医学部, 特任講師 (30647607)
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研究分担者 |
高久 康春 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任研究員 (60378700)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 精子 / 精子形態 / 男性不妊症 / 電子顕微鏡 / ナノスーツ法 / 不妊治療 / 走査型電子顕微鏡 / ナノスーツ / 元素分析 |
研究開始時の研究の概要 |
精子の形態評価は男性不妊症を特徴づけるために重要な検査である。しかし、その診断のほとんどは低分解能な光学顕微鏡下で行われているため、精子の微細な表面構造を正確に評価できない。また、精子形態評価に高分解能な電子顕微鏡を用いた場合でも、従来の観察方法では試料の化学固定や脱水処理により、本来の形態情報が消失している可能性が危惧される。そこで本研究では、生きた状態のまま電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)による観察が可能な新技術(NanoSuit法)を用いて、未固定・未処理の精子の表面構造を高い分解能で特徴づけ、男性不妊症との関連性を調べる。さらに、臨床研究を併せて行い新しい男性不妊症の診断法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
数ナノメートルの精子形態の“正常さ”を定義するためには光学顕微鏡では分解能が低い。NanoSuit法は、化学固定や脱水・乾燥といった試料の前処理を必要としない電子顕微鏡による生試料観察技術であり、生物個体を生きた状態のまま観察することができる。 本研究ではナノスーツ法を精子サンプルに対し最適化し、本手法が精子形態異常の詳細な解析に有用であることを確認した。また、本法を用いることで、精子頭部における電子密度および元素の分布、さらには頭部形態的特徴と精子機能に関わるレクチンの結合パターンを定量的に評価する方法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立したNanoSuit法を用いた電子顕微鏡観察技術による精子形態評価法は、これまでの光学顕微鏡観察像を正確にするだけでなく、精子の形態そのものについても新たな超微形態的知見を与えることを可能にした。また、本法を基礎とした精子頭部における電子密度および元素分布などの解析結果は、精子の形態と機能の関係を理解するための新たな視点をもたらし、さらにそれらを定量的に評価する手法の確立は、これまでにない男性不妊症評価法の開発に貢献できる可能性がある。
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