研究課題/領域番号 |
20K09566
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
鳥本 一匡 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10382293)
|
研究分担者 |
藤本 清秀 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50264867)
可野 邦行 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (50636404)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 間質性膀胱炎 / 膀胱痛症候群 / 血液バイオマーカー / リノール酸 / アナンダミド / バイオマーカー / リゾリン脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療(IC/BPS)は病態が未解明で、診断基準および治療が確立されていない難病である。客観的指標がないため、診断に豊富な経験が必要である。国内外で尿または血液バイオマーカー研究が行われてきたが、未だ臨床応用に至っていない。本研究では、網羅的探索で得られた血液バイオマーカー候補(リゾリン脂質など)について有用性の検証を進めるとともに、脂質代謝を中心に解析してIC/BPSの病態解明を目指す。血液バイオマーカーが完成すれば、診断が容易となりドクターショッピングを回避できる。また、複数の病態が混在するIC/BPS患者をバイオマーカーで均質化し、治療薬開発に貢献できる。
|
研究成果の概要 |
ハンナ型間質性膀胱炎(HIC)患者(20名)、膀胱痛症候群(BPS)患者(20名)、過活動膀胱(OAB)患者(20名)、下部尿路症状のない対照者(15名)を対象に、323種類の代謝物質を標的とし、高速液体クロマトグラフ質量分析を用いてメタボロミクスを行った。 アナンダミド、アシルカルニチン(18:2)、リノール酸エタノールアミド、アラキドン酸の相対的面積は、HIC群・BPS群においてはOAB群・対照群と比較して低値であった。とくにアナンダミドの相対面積の差は大きく、IC/BPSをOABから判別する能力としてAUSは 0.9321であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(IC/BPS)の病態は解明されておらず、診断ならびに治療は確立されていない。診断は、尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を呈する、混同しうる疾患を除外した上で、IC/BPSを疑い、痛みなど強い症状の要因であるハンナ病変の有無を膀胱鏡で確認するという過程である。これには十分な経験が必要で、実臨床では診断が難しい。我々が見出した血清アナンダミドをバイオマーカーとして用いれば、診断における大きな補助となる。また、診断精度の向上は、IC/BPSの病態解明ならびに治療方法開発の促進に寄与する。
|